だれかに話したくなる本の話

本当に「公務員」は安定で楽なのか?

不況になると公務員人気が上がることはよく知られている。実際に平成15年度、16年度頃から減少傾向にあった国家公務員の採用試験申込者数だったが、大不況に見舞われた平成21年度は年前年と比べて増加している。
 公務員になれば安定した生活を手に入れることができる…。そんな風に思っている人も多いのかも知れない。

 しかし、実は公務員は現在、かなり世間的に風当たりが強い。

 例えば市の全職員の給与を公開している自治体が以前、話題になった。
 鹿児島県阿久根市は人口2万5000人、海に面した小さな街だが、そこでは市長の下、「住民至上主義」が掲げられ、“税金は住民のため”という政治理念が貫かれている。
 そんな阿久根市の公式ウェブページを見てみると、市役所職員給与やその手当て明細が書かれたPDFを閲覧できる。もちろん個人名は記載されていないが、個人の給料や時間外労働、諸手当、さらには年収の額まで公開されている。

 公務員は税金から給与をもらっているが、その額を開示し、誰もが閲覧できる環境におくのは、今見てもあまりにも過激だ。

 角川書店から出版されている『公務員ムダ論―不況時代の公務員のあり方』(福岡政行・著)は、現在の公務員のあり方を論じる新書だ。本書では様々なデータを用い、一貫して公務員人件費の削減を主張する。つまり、「そんなに公務員にお金をかける必要はない」と言うのだ。

 給料を公開される上に、さらに給料をカットしろと言われる公務員。確かに今は「安定」があるのかも知れないが、この先どうなるのか見通しはつかない。北海道夕張市のように自治体が財政破綻する例も出てきている。
 公務員が楽で安定していて…と思っているのであれば、『公務員ムダ論』などを読み、再考するのも良いのではないか。
(新刊JP編集部/金井元貴)