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「学歴なんて関係ない」は本当か?出身校に自信がない人が絶対やるべきこと

「社会に出たら能力と実力がすべて。学歴なんて関係ない」と人は言うが、それでもなんだかんだ学歴はついて回るもの。

・抜群に仕事ができる同僚がやはり高学歴だった時
・仕事がうまくいかない時
・人に紹介される時
・履歴書を書く時

こんな時に学歴へのコンプレックスが顔を出す。
「学歴なんて関係ない」と言うのは簡単だ。だが、そう言われただけでコンプレックスがなくなるほど、人間は単純ではない。

■「学歴なんて関係ない」は本当か?

学歴はキャリアにまったく関係しないかというと、そうでもない。就職活動の書類選考で、企業によっては大学名で学生を「足切り」しているのはよく知られている。それを考えると、社会人としてのスタート地点を決めるのに、学歴は関係しているとはいえる。

ただ、逆にいえば学歴がキャリアに関係するのは、実質そこだけだ。そこから先は、学歴など、無意味な格付けとマウンティングの材料としての用途しかない。

マウンティングされるのは不愉快だが、学歴をタテにマウンティングをする人は、自分の出自と受験勉強の成果にしか拠り所がないのが見えている。おそらく現在の仕事の実力の方は、決してほめられたものではあるまい。学歴で劣っても、その後の取り組みで追い抜くことができる。

社会人になったら「学歴」より「学習歴」の方が大事、とするのは『「学歴なんて関係ない」はやっぱり正しい』(草思社刊)の著者、安井元康さん。安井さんもまた、社会人になってからも自主的に学び続けることで学歴を乗り越えて、ビジネスの世界で大きな成功を手にした一人だ。

■社会人の学びにまつわる4つの「罠」

自分なりのゴールを定め、地道に学び続けることで、学歴でのマイナスはカバーできる。しかし安井さんによると、社会人の学びには4つの「罠」があるという。

・自己の責任で学び、カリキュラムがない 仕事以外の時間で何をどのくらい勉強するかは自分次第。だからこそ、自分のキャリアプランやライフプランを設計したうえで、何を学ぶかを決める必要がある。

・時間の制約がある 一日の大半は仕事の時間。それ以外の時間で勉強するとなると、体力的にも時間的にも限られてくる。そして、勉強に使える時間はライフステージの変化とともに、年々減っていく。

・学習の進捗や成果が見えにくい 受験勉強は偏差値や志望校への合否で勉強の成果が測れたが、社会人の勉強にそうした指標はない。ゴールのないマラソンである。

・過剰な期待を抱きがち 本来学びは地道なもの。学習によって人事評価につながったり、資格取得で転職が有利になったりなど、すぐに人生が好転するとは思わない方がいい。

キャリアアップのための学びである以上、何を学ぶかを考える際は「労働市場で自分の価値を高められるかどうか」が基準になる。ただ、「今の仕事が不満だから、関係のない資格を目指す」といった方向よりも「今の仕事とリンクした学び」の方が、学んだ内容を仕事で実践できるため効率がいいという。

たとえ人に誇れる学歴がなくても、大切なのは「ここから人生を逆転させてやる!」という気概だと安井さんはいう。

受験勉強では負けたけど、社会に出てからは高学歴の人には負けたくないと思っている人は、本書で明かされている安井さんの体験談や生き方、学び方は大いに参考になるはずだ。

(新刊JP編集部)

「学歴なんて関係ない」はやっぱり正しい

「学歴なんて関係ない」はやっぱり正しい

マウスコンピューターを擁するMCJの経営者として活躍するかたわら、東洋経済オンラインの人気連載《非学歴エリートの熱血キャリア相談》で長年にわたりビジネスパーソンや学生の悩みに答えてきた著者が贈る実践的なキャリア論!

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