だれかに話したくなる本の話

「私なんてダメだから」が口ぐせの人にかけるべきアドバイスとは?

「私なんて…」
「どうせダメでしょ」
無意識のうちに私たちの行動に少なからぬ影響を与えているのが「毎日発する言葉」です。こんなマイナス言葉が口ぐせになっている人は、知らぬ間に積極性が失われていたり、チャレンジ精神が薄れていたりするかもしれません。

言霊書道家として活動する白水春鵞さんは著書『数えてごらん 幸せを見つける道しるべはここにあった』(コスミック出版)で、日々使う言葉を意識してポジティブなものに変えることの大切さと、自分の過去や未来のことがらについて「数えること」の効果をつづっています。
この二つにはどんな意味があるのでしょうか?ご本人にお話をうかがいました。今回はその後編です。

白水春鵞さんインタビュー前編を読む

■将来やりたいことが見つからない人へ

――「数える=列挙する」ことで過去や未来についての自分の考えが整理される、というのは確かにそうだと思います。たとえば「将来やりたいことが見つからない」という悩みを持っている人の場合、どんなことを数えればいいのでしょうか?

白水:セミナーの中で「夢を100個書き出す」という課題があったのですが、2つ、3つならともかく、100個なんて私は考えられませんでした。

きっと多くの人が100個書き出すことは、最初は無理ではないでしょうか。
日頃の生活の中で、例えばテレビを見ているとき、

*あの人って素敵だな
*あの人ってあんないいところがあるのだ
*あの人のまねをしてみようかな
*あの人のようになりたいな
と思うときはありませんか。

本を読んでいるときに

*この主人公ってカッコいいな
*どこがカッコいいんだろう
*主人公に憧れるな
*この主人公のようになりたいな
と思うことありませんか。

周囲を見渡しても、お友達や先輩でカッコいい人、何かに夢中になっている人、魅力ある人、成功している人っていませんか。 先ずは、そういう人々の、カッコよさ、憧れ、魅力、を書き出してみて、
*自分は何が好き
*自分は何がやりたい
*自分は何に興味がある
*自分は何が得意
*自分は何を継続している
と考えてみましょう。それらを書き出してみることが、自分との対話であり、将来やりたいことが見つかる手がかりとなるのではないでしょうか。

―――人から入っていくんですね。

白水:そうですね。人のまね、人の良いところをもらうことから始めてはどうでしょうか。

――白水さんは「言霊書道家」として活動されていますが、書としてしたためる言葉の選び方について教えていただきたいです。

白水:日頃の生活の中で感じたこと、セミナーに学んだこと、共感できた言葉だったり、本を読んでいて心に残った言葉をメモしておいて、書にすることが多いです。あとはことわざや四字熟語を書いたりもしますね。

――言葉の持つ力について。言葉はどのように人の思考に影響を与えるのでしょうか。

白水:私たちには「潜在意識」と「顕在意識」という二つの意識領域があると言われています。顕在意識は実際に考えていることや思っていることについての意識ですが、潜在意識は無意識の世界です。そして、顕在意識が4%で潜在意識が96%と言われているのですね。

私たちみんな、生まれた時の潜在意識にはいいも悪いも、プラスもマイナスもなかったはずです。それが成長するにつれて、見聞きしたいろいろなものが潜在意識に入り込んでいきます。「そんなことをしたら危ないんじゃないの」とか「あんたって頭が悪いからね」「あなたはグズね・サッサとせんね」とか、周囲の人に言われた言葉が潜在意識に入っていくんです。よいことも悪いことも、見聞きしたこと、体験したことすべてが潜在意識に入っていくのですね。

人は無意識の世界から無意識に行動をしていると言われています。潜在意識にプラスがたくさん入っていれば、肯定的な言葉を使いポジティブな思考ができ、よい行動ができます。反対に潜在意識にマイナスが多いと、否定的な言葉を使い、ネガティブ思考となり、消極的で失敗も多いということですね。

人は20歳になるまでに14万8000回ものマイナス言葉を聞いて成長すると言われています。潜在意識にたくさんのマイナスが入っているわけなんですね。だからこそ、意識して、よい言葉を選び使うことが大切なんですね。

――私の身近に「私なんてダメだから…」というのが口ぐせの人がいます。こういう人はどんな言葉を使うのがいいでしょうか?

白水:自分で言った言葉は潜在意識にそのまま入りますから、自分をダメなんて言わない方がいいですね。もし言ってしまったら「今のウソウソ! 神様ごめんなさい」と言って取り消しましょう。「私はとっても頭がいいのよ」「私に才能があるのよ」「がんばれば、なんだってできるのだから」とポジティブな言葉に言い直すのがいいと思います。

――誰かと一緒にいる時に言うのはちょっと恥ずかしい言葉ですね。

白水:そうですね。もし誰かと一緒なら「私はダメじゃないと思うのよね」「今からがんばればいいよね」というのがいいかもしれません(笑)。

――ネガティブな気持ちの時に無理にポジティブな言葉を使うのは疲れてしまうという人もいるのではないでしょうか。

白水:はい。ただ、ネガティブな気持ちのままでいることのデメリットは大きいので、できるだけ意識して前向きな言葉を使っていただきたいと思います。

実は私も、自分で自分を「頭がいいね」「すてきだね」と言うのは抵抗があったのですが、だんだんと慣れていきました。

ただ、お金がない人が「私はお金持ちだ」というのは、言葉と現実にギャップがありすぎて言えないですよね。病気で苦しんでいる人が「私は健康だよ」というのも、きついですよね。

そんなときは、「私はお金持ちになりつつある」「私は健康になりつつある」などのように現在進行形の言い方をすることをおすすめします。「私はお金持ちになりつつある」「頭がよくなりつつある」「私は健康になりつつある」という風に現在進行形にすれば、まだ成長途上でこれから上がり目がある、ということを無理せず潜在意識に訴えかけられるのではないかと思います。

――本書をどんな人に読んでほしいとお考えですか?

白水:*ネガティブな方
*どうしても思考がマイナスな方向に行ってしまう方
*悩みが多い方
*今幸せを感じられない方
*やりたいことが分からない方
*成長過程である学生さんや若い方
*仕事や人間関係で悩んでいる方
*健康に不安を感じている方
*よい言葉・よい思考をしたい方
*潜在意識をプラスでいっぱいにしたい方
1人でも多くの方に読んでいただけたら嬉しいです。

日々使う言葉の大切さや数えることの効果、そして潜在意識について、この本を読んで知っていただけたら嬉しいです。

(新刊JP編集部)

白水春鵞さんインタビュー前編を読む

数えてごらん 幸せを見つける道しるべはここにあった

数えてごらん 幸せを見つける道しるべはここにあった

うれしかったこと、感動したこと、運がよかったこと、
悲しかったこと、失敗したこと、あきらめたこと、
自分が持っているものと持っていないもの、日々のストレス…。

「数える」ことで過去と向き合い、自分を見つめ、本当の幸福をみつけるメソッドをご紹介します。

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