だれかに話したくなる本の話

子どものやる気を奪う結果も「無理してがんばらなくていい」に潜むリスク

子どものやる気を奪う結果も「無理してがんばらなくていい」に潜むリスク(*画像はイメージです)

「無理してがんばらなくていい」
「我慢する必要はない」
こんなことがあちこちで言われる世の中になった。

本当に嫌なことに耐えかねて何かを途中でやめた人を「逃げた」という冷ややかな言葉で一様にネガティブに評価する社会ではなくなりつつあるのはいいことなのだろうが、その一方で「がんばらなくていい」の行きつく先を考えると、なにやらうすら寒さを感じる人もいるのではないか。

進学にしろ就職にしろ、仕事にしろ、少なくとも今のところは他者から一定の評価を受けないことには受け入れてもらえないし、お金を稼ぐこともできない。「努力」や「鍛錬」と呼ばれるものなしにそれができる人はほとんどいないわけで、となると誰もが一定の時期はがんばらなければいけないし、人生を通じて多かれ少なかれがんばり続けなくては生きていけない。

どうしても頑張れない人たち~ケーキの切れない非行少年たち2

どうしても頑張れない人たち~ケーキの切れない非行少年たち2

「頑張る人を応援します」。世間ではそんなメッセージがよく流されるが、実は「どうしても頑張れない人たち」が一定数存在していることは、あまり知られていない。彼らはサボっているわけではない。頑張れないがゆえに、切実に支援を必要としているのだ。大ベストセラー『ケーキの切れない非行少年たち』に続き、困っている人たちを適切な支援につなげるための知識とメソッドを、児童精神科医が説く。