だれかに話したくなる本の話

部下がやる気を失う上司の共通ポイントとは

誰にでも仕事のやる気が出ない時がある。
極度に疲れていたり、プライベートで悩みが心配ごとがあり、仕事に身が入らないこともある。
しかし「常にやる気が出ない」ならば、それはもしかしたら職場や上司に問題があるのかもしれない。

職場には、「人がやる気になる職場」と「人がやる気を失う職場」がある。上司も同様だ。部下がやる気になる上司と、部下がやる気を失う上司である。その意味で「やる気」は個人の問題ではなく、職場の問題でもあるといえる。

■こんな会社と上司が社員からやる気を奪う

『こうして社員は、やる気を失っていく』(松岡保昌著、日本実業出版社刊)はこんな観点から、両者の違いを明かし、マネジメント層に向けて改善策を授ける。

多くの企業は、社員のやる気を高める取り組みをしており、その中には有効なものもある。ただ、同様に社員のやる気を奪う会社の取り組みや上司の態度もまたあるのである。それらに無自覚なままでは、社員のやる気を高めようとしてもその作用は弱まってしまうか、無効化されてしまう。

まずは自社の状況を把握して、モチベーションを下げる要因=「やってはいけないこと」をしないようにするほうが、優先順位は高いのです。(P7より)

■何があってもキーボードを叩く手を止めない上司

社員のモチベーションを下げる要因は組織にあることもあれば、上司にあることもある。
たとえば部下が「ちょっといいですか?」と相談を持ちかけた時、上司の反応としてよくあるのが、「ん?何?」と話を聞くそぶりを見せながらも、視線はパソコンや読んでいる資料から離さない、というもの。仕事の手を止めることもないし、部下を見ることもない。

これはテレワークでも同様だ。オンラインで行った会議の後に、部下が相談を持ちかけ、上司は聞くそぶりはするものの、部下が話している間中、キーボードを叩く音が止まず、上司は明らかに別の作業をしている。

上司からすると「聞いているんだからいいじゃないか。こっちだって忙しいんだし」となるが、部下からすると上司が真剣に話を聞いていないように思えてしまう。ちょっとしたことだがこうした態度が続くと、部下のやる気は削がれてしまうのだ。

そもそも、相手が聞いているのかいないのかわからない状況では、相手は安心して話をすることができない。話を聞くときは相手を見て、うなずきやあいづち、質問などを挟んで「話を聞いている」ということを態度で示すことが大切だ。

■押さえつける上司と過保護すぎる上司

また、仕事について理由や背景を説明しない上司も部下のやる気を奪ってしまう。

これは「いつもこうしているから」「ルールだから」の一言で、部下からの改善提案を却下したり、「理屈はいいから、早くやって」と押さえつけるように仕事をさせるといったことを指す。これを続けていると、部下は自分の仕事に意味を見出せず、無駄なことをさせられている気持ちを持ってしまうという。

ただ、手取り足取り指示と説明を繰り返しながら仕事をさせればいいというものでもないのがマネジメントの難しいところ。部下が仕事をしやすいようにと1から10まで細かく指示してしまい、部下が自分でコントロールできる部分を与えないのもまた部下のやる気を奪ってしまうのだ。

自分の行動で部下がやる気を失っているかもしれない。
本書では上司が思わずヒヤリとして我が身を振り返る行動と、改善法が解説されている。また、社員がやる気を失っていく組織の特徴についても多くのページが割かれている。

部下のやる気を高める取り組みだけではなく、部下のやる気を落とさないことがこれからの組織の課題となる。そのためにどうするべきか。本書はその答えを教えてくれるはずだ。

(新刊JP編集部)

こうして社員は、やる気を失っていく

こうして社員は、やる気を失っていく

会社や上司は社員のモチベーションを高めることにばかり意識が向きがちだが、まずやるべきは「モチベーションを下げる要因(やってはいけないこと)」を取り除くことである。とくに最近の若手は、やる気をそぐようなことをしなければ自然と前向きに仕事に取り組んでいく。「社員がやる気を失っていく」には共通するパターンがあり、疲弊する組織や離職率の高い会社の「あるあるケース」を反面教師に、改善策とともに解説する。

この記事のライター

新刊JP編集部

新刊JP編集部

新刊JP編集部
Twitter : @sinkanjp
Facebook : sinkanjp

このライターの他の記事