だれかに話したくなる本の話

「許せないこと」をどう許す?負の感情から解き放たれる童話(2)

『なんでもたべるかいじゅう』(幻冬舎刊)

怒りが収まらなかったこと、許せなかったこと、誰かを憎んだこと。   私たちはしばしばこうした激しい怒りに我を忘れることがある。そして、それらの怒りによって本来やるべきことに集中できなかったり、周りの人にやさしくできなかったりする。

許すことができればいいが、なかなかそうもいかない。そして許せないと、心が狭い自分が嫌になる。私たちは「怒り」とどう向き合えばいいのか。

『なんでもたべるかいじゅう』(幻冬舎刊)は、怒りに駆られて罪を犯したかいじゅうを描いた童話である。著者の北まくらさんは「怒り」と「許し」をどう表現したかったのか。作品の創作秘話とともにうかがうインタビューの後編だ。

なんでもたべるかいじゅう

なんでもたべるかいじゅう

自分をゆるすには、どうしたらいい?
惑星の全てをたべてしまった、心やさしいかいじゅう・ブギーの物語。

宇宙の片すみにある小さな星、「ペントン」。ここでは、さまざまな生きもの達が助けあい、おだやかにくらしています。
その中でもひときわ大きな体を持つ かいじゅう・ブギー。
ブギーはとてもやさしい心の持ち主で、村に住む生きもの達のお手伝いをしながら、小さな友達エイミーと毎日楽しくすごしていました。
ある日、村の老木は一年に一度のごちそうである大きな赤い実を、ブギーとその弟ムンゴに持っていってほしいとエイミーにたのみます。
エイミーは長い道のりを大きな実をせおって歩き、二匹のところに持っていきますが、そこには弟のムンゴしかいなくて……。

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