だれかに話したくなる本の話

ビジネスシーンでの雑談 6つのNG事項

営業の糸口として、そして商談の皮切りとして、「雑談」はビジネスにつきもの。これによって場の雰囲気を和ませたり、自分に親しみを覚えてもらうことができれば、「本題」が受け入れられやすいというわけだ。

よくあるのが「天気」のネタだろう。
「今日は暑いですね」「ここ最近、朝晩が冷えますね」といった天気のネタは、NGがなく、自己開示をする必要もない。だから切り出しやすいが、その話自体に特に意味はない。

■「あたりさわりのない話」はもう卒業しよう

こうした「雑談」は相手との距離を縮める上で大切だが、単なる世間話やおしゃべりで終わってはもったいない、とするのが『世界の一流は「雑談」で何を話しているのか』(ピョートル・フェリクス・グジバチ著、クロスメディア・パブリッシング刊)である。

というのも、日本では雑談力は「おもしろい話をする力」とされるが、ビジネスの現場ではそれでは不十分なのだ。実際、世界基準のビジネスの現場では「明確な意図を持ち、そこに向かって深みのある会話ができる人」こそが「雑談のうまい人」とされるからである。

たとえば、話のとっかかりとしての「天気の話」だが、こういうあたりさわりのない雑談は、基本的に海外にはない。特にヨーロッパのビジネスシーンではたとえ雑談であっても自己開示を伴うことが多いという。その方が警戒心を解きやすくなり、お互いの心理的な距離を縮められるからである。

「How are you?」と聞かれて、「I‘m fine」と答える英語の定型句があるが、こんな当たり障りのない会話ではなく「調子いいですよ。このあいだ出世しました」「最悪です。仕事が忙しすぎます。ボスがバカなんです」というように、自己開示を伴ってこそ、自分はどんな人間なのかをわかってもらうことができ、相手の人間性も明かしてもらえるのである。

■国際ビジネスシーンでの雑談 6つのNG事項

ただし、自己開示をするといっても、どんなことでも話したり聞いたりしていいわけではなく、NGな雑談もやはりある。

・相手のプライベートにいきなり踏み込まない…「結婚はしていますか?」「昨日は誰と飲みに行ったの?」など。

・ファクトベースの質問はしない…「大学はどちらですか?」「以前はどこにお勤めでしたか?」など。

・ビジネスの場で「収入」の話はしない…「年収はいくらですか?」という質問は日本でも不躾だが、海外でも聞かないのが不文律となっている。

・シチュエーションを考える…その場にいる人の顔ぶれ次第で、危険な話題がある。

・宗教の話題は過剰に恐れない…宗教はその人の日常を形作るもの。日本では宗教について聞くのはご法度だが、海外の人とビジネスをするのなら、その人の宗教の禁忌事項や習慣を知っておくことも必要となる。ダイレクトに聞かなくても「食べられないものはありますか?」「どんな日常を過ごしていますか?」といった遠回しな質問から、おおよそのことはわかるはず。

・「下ネタ」で距離が縮まることはない…どんな相手であれ、ビジネスの場では避けた方が無難。

自己開示はした方がいいが、上記のように多少のコツと配慮が必要だ。また相手のことを聞き出そうとするときも、あまりずかずかとプライベートに踏み込むのは考え物。そのさじ加減も雑談の能力の一つであり、ビジネスコミュニケーションのセンスなのだ。

本書では、雑談をより効果的なものにするために、どんな話をするか、どんな場でするか、そして雑談をどう使うかについての解説がされている。

プライベートの雑談とビジネスの雑談はまったくの別物。その違いがわかるとともに、ビジネスの武器としての雑談の威力もわかる一冊だ。

(新刊JP編集部)

世界の一流は「雑談」で何を話しているのか

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日本人が苦手な「打ち解ける」「間を埋める」「盛り上げる」を世界の一流ビジネスマンはどうやっているのか?

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