だれかに話したくなる本の話

直木賞作家・小川哲が新刊『君が手にするはずだった黄金について』で描く「承認欲求」と「オリジナリティ」

『君が手にするはずだった黄金について』(新潮社刊)の作者・小川哲さん

褒められたい、世間に認められたい、有名になりたい。
こうした承認欲求は、誰もが大なり小なり持っている。この欲求があるからこそ人は努力したり、一つのことに集中して取り組むことができるが、あまりに承認欲求が肥大化すると自分を実際以上に大きく見せたり、ウソをついて体裁を取り繕ったりといったことにもなる。

まさに諸刃の剣である承認欲求に振り回される人々を描いたのが、『地図と拳』で直木賞を受賞した小川哲さんの新作『君が手にするはずだった黄金について』(新潮社刊)だ。

SNS全盛の今、肥大する承認欲求は「現代病」。今回は小川さんにお話をうかがい、この連作短編集の成り立ちについて、そして承認欲求との付き合い方についてお話をうかがった。その後編をお届けする。

君が手にするはずだった黄金について

君が手にするはずだった黄金について

才能に焦がれる作家が、自身を主人公に描くのは「承認欲求のなれの果て」。
認められたくて、必死だったあいつを、お前は笑えるの? 青山の占い師、80億円を動かすトレーダー、ロレックス・デイトナを巻く漫画家……。著者自身を彷彿とさせる「僕」が、怪しげな人物たちと遭遇する連作短篇集。彼らはどこまで嘘をついているのか? いや、噓を物語にする「僕」は、彼らと一体何が違うというのか? いま注目を集める直木賞作家が、成功と承認を渇望する人々の虚実を描く話題作!

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