だれかに話したくなる本の話

日本に蔓延る経済への不安の原因は一体何?―【書評】『ズバリ!先読み日本経済』

こまで経済が行き詰まり不況が深刻化すると、世間のフラストレーションは見えない「原因」を探し、それを槍玉に上げ、必死に批判しようとする。
 そして現在、郵政民営化など、新自由主義的な政策を推し進めていた小泉純一郎元総理や、小泉政権のもとで経済財政政策担当大臣などを務めた竹中平蔵氏が批判の的とされている。

 しかし、果たして諸悪の根源は小泉・竹中改革だったのか? 本書は批判に対する竹中氏からのアンサーブックであるといえよう。

 竹中氏はまず自らに向けられた批判を分析し、「最も問題なのは総じて批判の中に対案がないこと」とバッサリ斬る。そして、現在日本の蔓延する漠たる不安の原因は、サブプライムローンであると述べる。
 サブプライムローン問題の本質は、経営の失敗であり、問題は「サブプライムローン」という商品を作ったことではなくどういう商品か把握していなかったからだという。

 「朝まで生テレビ!」で御馴染みのジャーナリスト、田原総一朗氏との対談でページが進んでいく本書は、竹中氏の信条や考えに一本筋が通っており、読んでいてとても小気味好い。「ベンチャー育成の土壌が整っていない」という経済の構造への批判、日本中を揺るがした郵政民営化の裏側、日本復活のための処方箋など、最後まで竹中節が炸裂している。

 もちろん竹中氏の発言の中には、自分の考えと相反する部分もあるだろう。しかし竹中氏と議論するつもりで本書を読めば、自らが支持している考え―もちろん竹中氏の考えも含め―に対して、より深い思索に耽ることができるのではないだろうか。
(新刊JPニュース編集部)

◆『ズバリ!先読み日本経済―改革停止、日本が危ない!』
著者:竹中平蔵、田原総一朗
出版社:アスコム
定価(税込み):1890円
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