だれかに話したくなる本の話

“行動こそが実力を養う” 大富豪の成功法則

総資産4000億。バリ島に渡り、大富豪となった男の成功法則とは一体どのようなものなのだろうか。
 『ホンマもんの成功法則』(クロイワ・ショウ/著、丸尾孝俊/監修、ロングセラーズ/刊)は大富豪“兄貴”こと丸尾孝俊氏の語録集だ。著者のクロイワ・ショウ氏曰く、兄貴の語録はときとして第三者にわかりづらいところがあるという。そのため、各項の最後に「ようするに」というクロイワ氏の解釈を載せており、兄貴の考えをより一層深く理解することができる。

 さて、本書で紹介されている成功法則は普段の生活でも活用できるものばかりだ。いくつかを紹介しよう。

■「伝わっていますか」を常に確認せよ
 ビジネスシーンでよく「人と会っています」と言う人がいるが、丸尾氏は、単に顔を合わせるだけでは本当の「会う」ではないという。相手の心に自分の存在が残らなければ、それは「会っていない」のと同じなのだ。
 覚えてもらえなければ、次会ったとしてもまた初対面に戻ってしまう。それを防ぐためには、覚えてもらうためには伝える能力を高めなければいけない。「伝わっていますか」ということを常に確認することが大切だ。

■計画を立てる前に取り組め
 丸尾氏は、「ホンマもん」は計画にかまけている暇はなく、無我夢中であるという。逆に必死になれない人ほど計画することが得意で、そして往々にして計画通りに進まない。
 つまり、行動こそが実力を養うのである。無我夢中にやっていれば自然と結果がついてくる。計画におぼれることは、「勉強法の勉強」ばかりしていて、勉強そのものをしないハウツーモノマニアに似ているという。

 “兄貴”こと丸尾孝俊氏は、中学卒業後、看板屋の住み込みの丁稚として就職。その後、単身インドネシアのバリ島に渡り、不動産デベロッパーとして大成功する。若手起業家からはカリスマとして慕われている存在だ。
 気に入ったものから実行してみたら、何かが良い方向に変わるかもしれない。“兄貴”の言葉にはそんな風に思わせてくれる何かがあるだろう。
(新刊JP編集部/田中規裕)