だれかに話したくなる本の話

日本一安全な土地はどこ?

首都圏直下型地震が近じか来ると言われているなか、引越しを検討している人もいるかもしれない。ただ “地震列島日本”と言われるように、日本のどこにいても地震に遭うリスクは存在する。しかし、そんな中でも比較的安全で暮らしやすいといわれる街はどこなのだろうか。

 生き方の選択の1つとして「移住」を研究する企画プロジェクト・関東脱出プロジェクトは、求人状況と交通の利便性を重視し、その上で地震リスク、放射能リスク、その他の災害リスクを判定基準として、移住先に向いている安全で暮らしやすい都市のランキングを作成。『関東脱出!本気で移住マニュアル』(イースト・プレス/刊)の中でベスト5を発表している。

【安全で暮らしやすい都市】
1位 岡山県岡山市
2位 奈良県奈良市
3位 沖縄県那覇市
4位 北海道札幌市
5位 香川県高松市


 1位は岡山県岡山市。まず特徴的なのが、日本国内でも比較的地震が少ない地域であることだ。岡山県内に存在する活断層はわずか3本、さらに岡山市がある県南エリアの直下に活断層はないとされている。唯一懸念されるのが「南海大地震」だが、四国や瀬戸内海を挟んでいるため、被害は甚大になりにくい見通しだ。夏は涼しく、冬は暖かいという気候で、日照時間が日本で一番長い。放射能リスクだが、最も近いのが原子力発電所で120キロ程度。しかし、その間には中国山地がそびえたっており、隣接する県に原子力関連施設もないのは大きなポイントだ。さらに、大阪や神戸などの主要都市まで新幹線で1時間から1時間ほどと交通アクセスが良く、求人倍率は1倍以上で、商業も栄えているため、生活に困ることはないだろう。
 2位は奈良県奈良市。古くからの建造物が多数残っていることからも分かる通り、被災リスクが低いエリアだ。奈良市付近は活発な活断層が少なく、巨大地震の震源地になる可能性が低いと予見されている。また、のんびりしていてマイペースな土地柄で、奈良県は全国都道府県の中で自殺率は最下位。交通の利便性も良く、現在は大阪のベッドタウン化が進んでいる。
 3位の沖縄県那覇市は、直近の原子力発電所でも台湾北部にある第四原子力発電所で600キロほどと離れている。大地震の発生リスクも全国一低いが、全く揺れないわけではなく、2010年2月には糸満で震度5弱を観測する地震が発生している。ただ、今後数十年の間で懸念されている材料があるわけではなく、目下注意すべきなのが台風と共存しないといけない部分だろう。
 4位は北海道札幌市で、北海道の中でも比較的地震発生リスクが低く、何よりも東京と遜色ない都市機能は魅力。アクセスも良く、物価も道内のほかの地域に比べてそこまで高くない。そして5位の香川県高松市は、東南海地震でも予想被害は軽微で、本州を外れた四国内で一番安全だ。有効求人倍率も総じて高く、ここ数年連続して月間有効求人数が増加の傾向にあるという

 いかがだろうか。『関東脱出!本気で移住マニュアル』は、まさにタイトルの通りの“移住マニュアル”で、移住する準備・手続き、移住をした人たちへのインタビューなどを掲載。さらに“関東脱出”したくない人には首都圏通勤エリアの中から選んだ安全な場所ベスト5も発表されている。
 この日本国内において完全に安全な場所はないにせよ、できる限り安全で暮らしやすい街に住みたいもの。「この街の安全」という安心感は間違いなく人生の幸福度をアップさせるはずだ。移住を考えている人は参考にしてみるといいのかもしれない。
(新刊JP編集部)