だれかに話したくなる本の話

「見えない障害」がもたらす苦悩 高次脳機能障害から見える社会の「困難」とは

自身の障害と向き合った『18際のビッグバン』を上梓した小林春彦さん

■「自分は障害を乗り越えていない」

「講演会の感想文とか見てみると、『障害を乗り越えて頑張っていてすごいと思いました』というコメントをいただきます。感想を頂けるのはすごく嬉しいことなんですけど、実際は乗り越えられてないんです。外見だけ見れば健常だし普通に話すこともできるから、そう思ってしまうかもしれないけれど、自分自身としては克服できたと思えてないし、自分の障害を受け入れられているわけでもない」

小林春彦さんは、「高次脳機能障害」という障害を持っている。

18歳のビッグバン―見えない障害を抱えて生きるということ

18歳のビッグバン―見えない障害を抱えて生きるということ

大学受験を目指していた18歳の春に「広範囲脳梗塞」で倒れ、身体機能と脳機能に重複した障害を抱えた筆者。
3年の闘病を経て一部の障害を克服するが、外見からは困難が分からない中途障害者となる。
いま28歳の筆者は、東大先端科学技術研究センターに従事し、「見えない障害」問題の啓発で講演やトークイベントなど東奔西走する。
「見えない障害」問題を訴える渾身の書