だれかに話したくなる本の話

“矢吹丈”は本当に死んだのか?−【書評】『死体を科学する』

生きている人の言葉には嘘がある。しかし死者は決して嘘をつかない」と言うのは、東京都の監察医を30年間務め、2万体もの変死体を検死・解剖してきた本書の著者の上野氏だ。

 本書は、死体から実際に起きた事件を読み解き、また映画や漫画の世界に山のように存在する死体の「嘘」を徹底的に検証している。いまだに逮捕されない世田谷一家惨殺事件の犯人像について、刺された傷跡からわかることとは? 『あしたのジョー』の最終回、戦いに敗れ、真っ白に燃え尽きた矢吹丈は、その後死んだのだろうか? 死体検証学の視点から、多くの謎に挑んでいる。

 国内外問わず、近年ブームになっている医療ドラマやミステリー小説。フィクションの世界には多くの死体が登場するが、実際に死体を見たことがある人はほとんどいないはずだ。
 「頭を撃たれても人は死なない」「死体は簡単には燃えない」…死体の真実を知ることで、より一層医療ドラマやサスペンスドラマが楽しめる、検死エンターテイメント。手にとって体験してみてはいかがだろうか。
(新刊JPニュース編集部)

◆『死体を科学する』
著者:上野正彦
価格:733円(税込み)
出版社:アスキー・メディアワークス
新書判