グローバル化の終焉を告げた2つの「事件」と「閉じた経済圏」の可能性とは

以前から「資本主義」の限界が叫ばれてきたが、肝心の「資本主義の次にあらわれる世界」の議論については不透明な部分があった。
それが、2016年に起きた2つの決定的な事件――イギリスのEU離脱と、ドナルド・トランプのアメリカ大統領選勝利――によって、世界がどこに向かおうとしているのかが見えてきた感がある。
この2つの出来事の象徴的な意味合いは、グローバリズムと新自由主義を引っ張り続けてきた米英が、世界に対して「閉じる」という選択をしたことだ。
経済学者の水野和夫氏が執筆した『閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済』(集英社刊)では、**「生き残るのは閉じた帝国である」**という重大な指摘を起点に、世界経済を俯瞰しながら日本の進むべき方向が示されている。