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第2回城山三郎経済小説大賞の授賞式をレポート

イヤモンド社が主催する経済小説の文学賞、城山三郎経済小説大賞の授賞式が今月6日、東京・渋谷の石山記念ホールにて行われ、大賞に選ばれた『ピコラエヴィッチ紙幣―日本人が発行したルーブル札の謎』の著者、熊谷敬太郎さんに表彰状と記念品、副賞の目録が贈られた。


 
 『ピコラエヴィッチ紙幣―日本人が発行したルーブル札の謎』は20世紀初頭、島田商会がロシアの小都市ニコラエフ・ナ・アムール(日本名は尼港)で発行していた紙幣を巡って繰り広げられるドラマを描いた作品。通貨をテーマに持ちながらも、サスペンス・恋愛などエンターテイメント性も十分に備えている。

 授賞式で熊谷氏は「10年以上前に書いた作品だが、なかなか発表する機会がなかった。受賞できるなどとは夢にも思っていなかった」と語った。
 選考委員の評価も軒並み高く、安土敏氏は「ドラマ性に胸が震えた。通貨というものの本質に深く切り込んでいて、経済小説として素晴らしい出来だった」、佐高信氏は「世に知らしめるに足りる作品。城山先生がご存命でもこの作品を選んだのではないか」と語った。

 城山三郎経済小説大賞は2004年に創設された「ダイヤモンド経済小説大賞」を発展させたもので、今回が第2回目。昨年行われた第1回は松村美香氏の『ロロ・ジョングランの歌声』が受賞した。
新刊JP編集部/山田洋介)