だれかに話したくなる本の話

組織を強くするリーダーとダメにするリーダー、その違いって? 【鬼頭あゆみの「本が好きっ!」】

みなさん、こんにちは!鬼頭あゆみです。
インターネットラジオ「本が好きっ!」、第31回目のゲストとしてお越しいただいたのは『逆境のリーダー ビジネスで勝つ36の実践と心得』(集英社刊)の著者である大塚明生さんでした。

大塚さんは大学を卒業された後、現在の三井住友信託銀行に入社。2011年に副社長に就任され、メガバンクなど大手企業を相手に戦い、企業年金事業で180戦160勝。業界では、異端児と呼ばれたこともある方です。
お会いする前は、ものすごく鋭い目を持った厳しい方なのかなと思っていたのですが、実際にお会いすると、とても柔和な印象。この「本が好きっ!」での対談のために、朝の3時半に起きて準備をしてくださったのだそうです。

さて、今回のお話のテーマは「組織のリーダー」。
大塚さんがいらっしゃった信託銀行が比較的小さな組織だったこともあり、リーダーの重要性を痛感されたそうです。

「組織はリーダーによって決まります」と大塚さん。今の時代に求められるリーダー像は「出る杭」なんだそうです。停滞や行き詰まりを打破し、組織を前に進めるリーダーになるためにとても大切なことだと言います。

■「何になりたいか」ではなく「何をやりたいか」が大事

伺っていてとても印象的だったのは、「51対49」のお話です。

「何をやりたいかが51%で、何になりたいが49%」の人のほうが「何をやりたいかが49%で、何になりたいかが51%」の人よりも成長し、改革する力があると大塚さんは言います。

つまり、「出世したい、偉くなりたい」と思う気持ちよりも、何をやりたいのかが重要ということであり、その「やりたい」という気持ちを持って前へ進める人がリーダーになるべきなのだと。「今、何をやるべきか」を考える力がないと、競争社会のリーダーにはなれないと言います。

また、組織を引っ張ることのできるリーダーは、仕事ができる完璧な人なのだろうと思ってしまいがちですよね。しかし、決して能力が高いから優れたリーダーになれるわけではないと大塚さんは言います。

■リーダーに求められる力、ダメなリーダーの特徴

では、リーダーに求められる重要な力はなんでしょうか。
それは自らの強み、弱みを見極める「自己直視」であると大塚さん。「自己直視できない能力90点のリーダーより、自己直視できる能力75点のリーダーの方が組織は機能する」と言います。
組織の中では、互いに補いあうことが必要です。その足りないところをどうやって他者の力を借りるのか、冷静に観察できる人が、組織を動かすことができるのです。

また、ダメなリーダーの例をあげてもらうと、「ニコポン上司」という返答が。これは、部下に嫌われないように、ニコニコしていて、親しみをこめて肩をポンポン叩くような上司のことです。
「ニコポン上司」って一見、組織が円滑に動きそうで、部下ものびのび仕事が出来そうに思うのですが、実はその逆だと大塚さんは言います。彼らは軋轢を避けたいだけで、「部下に優しいのではなく自分に優しいだけ」と厳しい評価。皆さんは大丈夫ですか?

インターネットラジオ「本が好きっ!」を聴きながら、著書『逆境のリーダー ビジネスで勝つ36の実践と心得』を手にとっていただき、ぜひ大塚さんのリーダー論に触れてみてください。明日から仕事や会社の見え方が変わるはずです。

【鬼頭あゆみの「本が好きっ!」】
ブックナビゲーター・鬼頭あゆみによる書評ラジオ。毎回、話題の本の著者が登場して、本について掘り下げるインタビューを届ける。
オーディオブック配信サービス・FeBeにて無料配信中。http://febe.jp/honga

逆境のリーダー ビジネスで勝つ36の実践と心得

逆境のリーダー ビジネスで勝つ36の実践と心得

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三井住友信託銀行で「異端児」と呼ばれた元副社長・現顧問が説く苦しい逆境を打ち破り結果を出す、独自のリーダー論!

この記事のライター

鬼頭あゆみさん

鬼頭あゆみ

1976年、愛知県生まれ。フリーアナウンサー。活動拠点を東京に移す前は、東海テレビ放送のアナウンサーとして、主にニュース番組、プロ野球番組などを担当。フリーに転身後は、TBS「サンデーモーニング」やNHK「探検ロマン世界遺産」などに出演。

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