だれかに話したくなる本の話

伝説のパンクロッカーから芥川賞作家になった男が語る「小説のライブ感」町田康インタビュー(1)

『湖畔の愛』の著者・町田康さん

出版業界の最重要人物にフォーカスする「ベストセラーズインタビュー」。

第99回となる今回は、新刊『湖畔の愛』(新潮社刊)を刊行した町田康さんです。
『湖畔の愛』は、龍神が棲むという湖「九界湖」のほとりにある老舗ホテルを舞台に繰り広げられる、恋あり笑いあり涙ありのドラマを書いた短編集。アクの強すぎる登場人物たちと、どんなにシリアスな場面でもどこかとぼけた会話がクセになります。

今回はこの作品の成り立ちについて、そして町田さんのルーツといえるパンクロックと音楽について、たっぷりと語っていただきました。
(インタビュー・文/山田洋介、写真/金井元貴)

湖畔の愛

湖畔の愛

ようこそ、九界湖ホテルへ。龍神が棲むという湖のほとりには、今日も一面、霧が立ちこめて。創業100年を迎えた老舗ホテルの雇われ支配人の新町、フロントの美女あっちゃん、雑用係スカ爺のもとにやってくるのは―。しかし、誰が知ろう、神の心を。鏡のような湖面の奥底でどれほど奇怪な神秘が渦巻いているかを。天変地異を呼びおこす笑劇恋愛小説。