だれかに話したくなる本の話

「楽観的に生きれば脳は活性化する」 茂木健一郎氏、単独インタビュー

脳科学者の茂木健一郎氏が3日、著書『脳を活かす勉強法』『脳を活かす仕事術』(いずれもPHP研究所)のシリーズ累計100万部の突破を記念し、東京都の三省堂書店神保町本店でくす玉割りイベントとサイン会を行った。
 新刊JPニュース編集部は本イベントに参加し、茂木氏への単独インタビューを敢行。シリーズ累計100万部突破の感想をうかがった。

◇     ◇     ◇

―『脳を活かす勉強法』のシリーズ累計100万部突破、おめでとうございます。まずは率直な感想をお願いします。

茂木「やっぱり、自分を捨てないといけないんだなと思いましたね(笑)。
『脳を活かす勉強法』っていうのは、ある意味では思い切り下世話な話を書いたと思っているんですよ。自分が受験のときどうやって勉強してきたか、とかね。実は、世の中の人がそういうことに興味を持っているなんて思っていなかったんです。
それまで書いていた本はちょっとカッコつけて書いていたところがあったというか、いわゆる高尚な部分もあったんですが、本当は現実の問題、つまり『どう生きるか』のほうが大事なんですよね」

―読者の皆さんからはどのような反響が届いていますか?

茂木「今まで僕が書いてきた本の読者とは全く異なる読者の方々から連絡を頂きますね。中学生から『この勉強法を活かして勉強をしています』というメールを頂いたこともありますよ。本当に嬉しいことです」

―これからはどういった本を書いていきたいと思いますか?

茂木「やはり今、経済も悪くなっていて、不安定な中でみんな生き方を模索していると思うんです。そのなかで『こういう風に明るく脳を使ったら、前向きに、楽観的に生きられますよ』ということを伝えられる、楽観的に生きること手助けができるような本を作りたいですね。楽観的でないと、脳はちゃんと働いてくれないですから」

―楽観的にならないと脳が働かないというのは、すごく印象的なフレーズです。では、楽観的になるコツはあるんでしょうか?

茂木「根拠のない自信を持つこと、どんなに小さいことでもいいから成功体験を持つこと。その2点です。どんなに易しい課題でもいいんです。そして、達成したら自分自身を褒めてあげてください。
根拠のない自信は…そうですね、それはあなたの中にあります(笑)。子どものときはみんな、根拠のない自信を持っているんですよ。例えばよちよち歩きをしていない赤ちゃんが、『今度はつたい歩きが出来るかな?』と悩むことはないでしょう。それは、悩む前にやってしまっているからです。子どもの頃はみんな根拠のない自信を持っているんですから、それを思い起こせばいい。その中に、可能性があるのだと思います」

―では、最後に読者の方に一言お願いします。

茂木「生きるとは、暗闇の中に飛び込むようなことです。だから、『そう思って生きていれば何でも出来る!』と思って欲しいですね。未来には誰にも見通すことができません。分からないんですから、明るいと思って生きることが大切です」

◇     ◇     ◇

 このインタビュー後、茂木氏によるサイン会が行われた。
 茂木氏は集まった読者一人ひとりにサインを行ったが、サインに一人ひとり異なる絵とメッセージを書き添えて、喜ばせていた。大事そうに本を持ち帰る読者の笑顔が印象的な、和やかな雰囲気のサイン会となった。

インタビュアー/取材・川口絵里子(新刊JPニュース編集部)