だれかに話したくなる本の話

すべての夫が知るべき「妻の理不尽な怒り」の原因

ある朝、起きてみると妻の機嫌が悪い。
理由を聞いても教えてくれないし、そもそも答えてもくれない。

こっちとしては心当たりがない。家事もできる限り協力しているし、子育てにも積極的にかかわっている。怒られるようなことは何もしていない。なぜ妻が怒っているのか見当もつかない。

こんな経験がある男性は、きっと少なくないはずだ。
そして妻の機嫌はいつしか元通りになる。だから原因はわからないまま。

■あなたが何もしていないのに妻が激怒する理由

『妻のトリセツ』(黒川伊保子著、講談社刊)は、男女の脳の違いから、夫を戸惑わせる妻の不機嫌や怒りの原因を解説し、売れに売れている一冊。

男女の脳には違いがあり、それは物事の認識の仕方としてあらわれる。だから、夫がごく当たり前になっている生活の中の行動も、妻にとってはそのいちいちが気に障ってしかたないということになりやすい。

もう少し詳しく説明しよう。
本書によると、女性の脳は男性の脳と比べると「行動文脈」が長いという。たとえば「トイレに行く」という一つの行動の中に、「トイレに行く途中のここでこれをして、戻ってくるときにあれを補充して」という風に、ついでの細かい家事を入れるのが典型的な女性脳の行動。つまり、自分の行動を常に様々なことをするための一つの流れとしてとらえているのだ。

そのことを理解していないと、夫は妻がどれだけ家事をやっているかを正当に評価することができない。妻の認識は「トイレに行ったついでに、いくつかの細かい家事をこなした」だが、夫の認識では、妻は単にトイレに行っただけなのだ。

この認識の違いがあるかぎり、妻は自分がどれだけ家事をこなしているかを夫がわかってくれていないと感じ続けるだろう。そして、不満はくすぶりつづけ、ある時爆発する。

夫が知るべきは、妻のこの行動性質と、「見えない家事」の存在だ。
家事とは掃除や洗濯、ゴミ出し、といったわかりやすいものばかりではない。こまごまとしたものの補充やちょっとした整理整頓、観葉植物の水やり…。夫が認識していない、このような名前がない家事を、妻は毎日やり続けているのである。

「妻は、自分が考えているよりも多くの家事をこなしている」
そう認識したうえで、夫はどんな行動をとるべきか。

本書では男女の脳の違いを解説したうえで、夫がとるべき行動と、とるべきではない行動。かけるべき言葉と、言ってはいけない言葉を紹介。

夫が感じる「妻の理不尽な怒り」は、実は理不尽でもなんでもない。家庭円満、笑顔の絶えない家にするために、本書から学べるものは多いはずだ。

(新刊JP編集部)

妻のトリセツ

妻のトリセツ

全ての夫に向けた、妻との上手な付き合い方。

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