だれかに話したくなる本の話

スピーチトレーナーが教える、話しているときの「えーっと」をなくすコツ

スピーチやプレゼン、人前で話す際に「えー」「えーっと」「まあ」といった言葉を多用してしまうことはないだろうか。

話の中に「えー」「あー」が多いと、聞き手の集中力を削いでしまったり、内容が入りにくくなったりする。
なるべく「えー」「あー」をなくしたい。そのためにはどうすればいいのか。

スピーチトレーナーの高津和彦さんは、著書『スピーチや会話の「えーっと」がなくなる本』(フォレスト出版刊)の中で、「えー」「あー」をなくしてスムーズに話すための方法を伝授している。
では、そのコツとは一体どのようなものなのか? その一部をピックアップしよう。

■アナウンサーのトレーニングで最初にするのは…

「えー」「あー」という言葉は、学術論文では「フィラー」(filler)と呼ばれている。これは「fill」(詰める)と「er」(するもの)を意味し、「詰め物」「つなぎ」といった意味を持つ英単語で、「合間に挟み込む言葉」を幅広く指す。

この「フィラー」をほぼ入れないで話している人がアナウンサーだ。

なぜ、アナウンサーはしっかり話せるのだろうか。
それは物事を端的に「はっきり表現」しているからだと著者は述べる。著者自身、アナウンススクールに通い、番組でニュースを読んでいたといい、アナウンサーと同じトレーニングをやればフィラーはなくなると指摘する。

では、どんなトレーニングをするのか?
まずは「発声」だ。声を自由自在に出す訓練である。発声は話すことの基本であり、人に伝える上での土台となる。確かに発声がしっかりできている人からは自信を感じるし、言葉が素直に伝わってくるのではないか。

続いては「原稿読み」。考えて話すのはまだ先で、機械的に読んでいく。原稿の中に「えー」や「あー」というフィラーはないので、少しずつ「フィラーゼロの体質」ができてくる。
そして「考えて話す技術」のトレーニングとなる。この段階になると、自分で意図して出さない限りは、フィラーはほとんど出なくなるという。

アナウンサーと一般の人の違いについて、アナウンサーは言葉を決めてから声に出すが、一般の人は「心」からすぐに「声」に出すと著者は指摘する。フィラーをなくすには「ちゃんとした単語」をまず出そうという思考を働かせること。それは、文字にしたときに意味のある言葉にするということだ。
たとえば、「えーっと」を「どういうべきかな」と変える。これだけで話し方も変わってくる。

本書では話し方のコツや上手くスピーチをするためのストーリーの作り方、話す内容が飛んでしまったときの対応術など、フィラーなしでスピーチをするためのイロハを教えてくれる。

「えー」や「えーっと」はついつい言ってしまう言葉。ただ、このフィラーをなくすだけで、話し方は上手くなるはずだ。そして、周りの反応も変わってくれば、話すことがもっと楽しくなるだろう。

(新刊JP編集部)

*記事初出時、誤記がございました。 関係者、読者の皆様にご迷惑をおかけしましたことをお詫びして訂正いたします。

スピーチや会話の「えーっと」がなくなる本

スピーチや会話の「えーっと」がなくなる本

「えー」「あー」を消すだけで、説得力が上がる!

この記事のライター

新刊JP編集部

新刊JP編集部

新刊JP編集部
Twitter : @sinkanjp
Facebook : sinkanjp

このライターの他の記事