だれかに話したくなる本の話

「ラブホテル」を通して欲望をマーケティング―【書評】『現代を読み解くラブホテル人間学―欲望マーケティングの実態』

ラブホテル」―非道徳的なイメージと同時に、甘美な背徳感を与えるこの特殊な空間は、その性質や使われ方ゆえに多くの人が密かに興味を抱いているはずだ。

「どこにあるのだろうか?」
「どんな人が使っているのだろうか?」
「いや、そもそもどんな場所なのだろうか?」

 こういった疑問を解消したくても、非道徳的なイメージが邪魔してなかなか知り合いには聞きにくいところがあるかも知れない。
 もしそう思ってしまうのであれば、是非とも本書を読むことをお勧めしたい。必ずそれらの疑問が解消されるはずだからだ。

 本書は40年間もの間、ラブホテルのデザイナー・コンサルタントとして、生涯のキャリアのほとんどをラブホテルとともに歩んできた著者ならではの、ラブホテルに対する鋭い分析がなされている。そして、そこには、単なる歴史や実態を描くだけでなく、ラブホテルを使う人間の心情にも肉薄している。

 非日常空間としてラブホテルを求める人々がいる一方、公序良俗に反するとして法律で規制する政府のコントラスト。そして、ラブホテルと最も密接に係る人間の性を読み解く。これらをもとにマーケティングを行う行為は、マーケティングを超えて、まさに、「人間学」と呼べるものではなかろうか。
(新刊JPニュース編集部)

◆『現代を読み解くラブホテル人間学―欲望マーケティングの実態』
著者:亜美伊新
出版社:経済界
定価(税込み):840円
新書判/発売中