だれかに話したくなる本の話

苦手なスピーチも克服! アナウンサーが教える「伝わる話し方」のコツ

人前で話すことが苦手。途端に頭がパニックになってしまい、言葉が出てこなくなる。
プレゼンや面接、面談などを経験した後、自己嫌悪に陥る人も少なくないだろう。

それもそのはず、人前で話す機会は多いの、私たちは学校でその方法をほとんど教わっていない。

では、どうすればいいのか? 参考にしたいのが、NHK FMで30年以上続く人気長寿番組「歌謡スクランブル」でDJを担当しているフリーアナウンサーの深沢彩子氏が、話し方を教えてくれる『不安が自信に変わる話し方の教室』(深沢彩子・稲垣麻由美著、三才ブックス刊)だ。

本書では、「話すことには自信がない」という文筆家の稲垣麻由美氏が生徒役、深沢氏が先生役となり、稲垣氏がレッスンを受ける会話方式で、誰でもすぐに実践できる「話し方・伝え方」を紹介する。

■人前で話す時は「話の内容」だけでなく「発声」も大事

伝えたいことがあっても、話すための基本的な技術やコツを身につけておかないと、しっかり相手に伝わらない。それは話す内容もさることながら、「声の出し方」もしかり。結構、盲点になっているポイントではないだろうか。

たとえば、発声で大切なのは腹式呼吸だ。「横隔膜を上手に使って深い呼吸をする」のが腹式呼吸。では、どうすれば上手く声が出せるのか。
まず、丹田といわれるおへその下のあたりに片手をあてて、ぐっと押しながら第一声を出す。そうすると、お腹が凹むので、あとは自然に息をする。

このようにすると、肺の深いところまで空気が入り、深い呼吸が自然とできるようになる。腹式呼吸はふんぞり返っていたり、猫背だとうまくできないので、自然と背筋が伸び、姿勢も良くなるので、ぜひマスターしたいところ。

また、声の高低で表現の幅を広げることができる。
楽しいときは音域が広くなり、悲しいときは自然と低めで音域が狭くなるもの。
落ち着いた感じや大事なところは、低い音域で。楽しく、軽やかにしたい場合は、高い音域で。
このように、意識的にその場や内容に合わせて声の高低を変えることで、声の表情も豊かにできる。

ポイントは、音符でいうと、「ド」と「レ」だけでなく、「ド」と「ミ」、「ド」と「ソ」というように音域を広く使うように心掛けることだという。

音域を広く笑顔で「おはようございます」と言うのと、狭く下を向いて「おはようございます」と言うのでは、同じ挨拶でも大きく印象は違う。そして、音域を広く使うことで、話にメリハリもつくので、このテクニックは普段から自然と使えるようにすると、聞き手も話に耳を傾けてくれるだろう。

人前で話すときの技術面はもちろん、心構えまで本書では網羅。
アナウンサーである深沢氏の「話し方・伝え方」を稲垣氏と共に学んでみてはどうだろう。

(T・N/新刊JP編集部)

不安が自信に変わる話し方の教室

不安が自信に変わる話し方の教室

あなたはまだ、 本当の話し方を知らないだけ。

この記事のライター

現在調査中…

T・N

ライター。寡黙だが味わい深い文章を書く。SNSはやっていない。

このライターの他の記事