だれかに話したくなる本の話

強すぎる感受性に苦しむ人のための心が楽になる考え方

「周りに機嫌が悪い人がいると緊張してしまう」
「他の人が受け流せるようなことが心に引っかかって落ち込んでしまう」
「何かあるとすぐに動揺して、取り乱す」

日常生活でこんなことはありませんか?
もし当てはまるなら、あなたはもしかしたら「H S P」かもしれません。

「H S P」とは「Highly Sensitive Person」の略で、普通の人よりも感受性が強く、繊細な人のことを指します。他人のちょっとした変化に気づいたり、物事の細かいところまで気を配れたりと、「繊細さ」にはいい面がたくさんある一方で、対人関係で疲れやストレスを溜めやすかったり、細かいところに目が行きすぎて、やるべき作業がなかなか進まなかったりすることも。「敏感なセンサー」は諸刃の剣なのです。

では、繊細すぎて悩みやストレスを感じている人は、「細かいことは気にしない!」と、自分の鋭さや細やかさにフタをして、少しばかり「鈍感な人」を目指すべきなのでしょうか?

■無理に「鈍感」になる必要はない!

『「HSP」で「ひきこもり」だけど私は元気です。』(かほり著、武田友紀監修・解説、ソシム刊)は、周囲の人よりも敏感な感受性を持つがゆえに悩む人に向けて、毎日を快適に自分らしく過ごすアドバイスを与えてくれます。

この本を監修したH S P専門カウンセラーの武田友紀さんは、繊細な人は「繊細さを大切にすることで、どんどん元気になる」としています。無理に鈍感になろうとしたり、自分の感受性を押し殺そうとしなくてもいいのです。

これを理解したうえで、気持ちが落ち込んだ時や、悩んでしまった時、ストレスを感じている時をどう乗り切っていくか、という話になります。

■頭では「やらなきゃ」と思っていても・・・

まず大切なのは、疲れた時やストレスが溜まっている時は、潔く休むこと。真面目な人ほど休むことに罪悪感を抱くものですが、エネルギーが枯渇している状態で無理やり動いても、状況は改善されません。

心と体はリンクしています。頭で「動かなきゃ」「これをやらなきゃ」と思っても体がついてこないのであれば、それは「まだ動きたくない」が本音なのです。たっぷり休んで、自然に「これをやりたい」「もう休むのにも飽きてきた」という気持ちが生まれてきたらもう大丈夫。そこからリスタートしましょう。

■自分の気持ちに目を向けよう

落ち込んで自分に自信が持てない時に、自己肯定感を復活させるには、できた物事をカウントするのではなく「楽しい」「嬉しい」「嫌だ」といった自分の気持ちに目を向けていくことが大切だと、武田さんはいいます。

「掃除したくない」と思ったら、自分を「怠け者だ」と責めたりするのではなく、掃除したくない気持ちをそのまま受け入れるのがポイント。どんな気持ちも「今、自分はこう思っているんだな」と受け入れ続けることで「どんな自分でもO K。私は私でいいんだ」という自己肯定感につながります。

本書の著者、かほりさんもまたH S Pであり、苦しんだ末に自分の性質とうまく付き合いながら生きていく術を身につけた一人。会社で、家庭で、学校で。彼女のように、繊細がゆえの生きにくさを抱えている人は、きっと少なくないはずです。

繊細さは小さな幸せも味わえる素敵な気質であり、まちがいなく長所です。
その長所を殺さず、かつ必要以上に傷つくことがないような考え方や振る舞い方が、本書からはきっと見つかるはずです。

(新刊J P編集部)

「HSP」で「ひきこもり」だけど私は元気です。

「HSP」で「ひきこもり」だけど私は元気です。

日本では数少ないHSP専門カウンセラー武田友紀氏と、
ひきこもりイラストレーターかほり氏による対談コミックエッセイ。

漫画家アシスタントをしていたかほりは、
謎の体調不良や激しい動悸などの異常を感じながらも
「仕事をしなければならない」と自分に言い聞かせて仕事を続けていた。
しかし、そんな無理が長続きするはずはない。
やがて電車に乗ることや他人と接することに恐怖を感じるようになり、
外出もできないひきこもり状態に陥ってしまう。

心も体もボロボロになったかほりだが、
後に自身がHSP(とても繊細な人)と知り、
HSPがハッピーに生きていく方法を模索していく。

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新刊JP編集部

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