まったく新しい感性をもった作家と各方面から賞賛される真藤順丈氏へのインタビュー。このページでは真藤氏の小説のルーツや今後挑戦したいことなどを語ってもらった。
◇「小説っていう本当に自分の想像力だけで戦えるようなものでがんばってみたいと思った」◇
―いつごろから小説を書き始めたんですか?
真藤 20代の前半から少しずつ書いてはいたんですけど、小説家になりたいと本腰を入れて書き出したのは2、3年前ぐらいからです。
―本格的に小説家を目指すようになったきっかけはありましたか?
真藤 ずっと映像関係の仕事をしていて、自分の作品を作ったりもしていたんですけど、映像の世界での限界を感じ始めてしまいました。そこで、自分の想像力だけで勝負できる、小説の世界に挑戦してみたいと考えました。
―転向するのは、相当の覚悟が必要だったんじゃないですか?
真藤 まさに背水の陣でした。
―今まで書かれてきた小説の中で、一貫したテーマはありますか?
真藤 一貫したテーマといわれると難しいところがあるんですけど、「人と人とのつながり」をさまざまな形で描いていきたいと考えています。
―今後どのようなことに挑戦したいと思っていますか?
真藤 これまでは、ホラー、SF、ライトノベルとさまざまなジャンルに挑戦してきました。しかし、今度はエンターテインメントという大きなジャンルに深くもぐり込んで書いてみたいという思いもあります。
どんな読者層にも受け入れられるような王道のエンターテインメントというのを書いてみたい。書けるかどうかは別として(笑)
―話は変わりますが、真藤さんが一番影響を受けた作家はどなたですか?
真藤 僕は結構乱読なんですが、そのなかでも安部公房や三島由紀夫は学生時代からよく読みました。あと、平山夢明さんはすごく好きですね。
―今後の予定をお聞かせください。
真藤 来年は、ポプラ社小説大賞特別賞を受賞した『RANK』と、電撃小説大賞銀賞を受賞した『東京ヴァンパイア・ファイナンス』が2月に刊行されます。現在は、それらの改稿の作業のほか、各社からの受賞2作目の構想を練っています。
―楽しみに待っています。最後にこのインタビューの読者にメッセージをいただければと思います。
真藤 『庵堂三兄弟の聖職』は、それぞれの登場人物が、現代社会の常識やモラルといった境界から離れたところで必死でもがいているような小説です。人生の中であがいて、境界線を突破しようとしている人たちに、ぜひ読んでほしいですね。
―ありがとうございました。
(インタビュアー/金井元貴、記事構成/山田洋介)
【真藤順丈氏プロフィール】
1977年東京都生まれ。2008年、『地図男』で第3回ダ・ヴィンチ文学賞を受賞してデビュー。『庵堂三兄弟の聖職』で第15回日本ホラー小説大賞大賞、『RANK』で第3回ポプラ社小説大賞特別賞、『東京ヴァンパイア・ファイナンス』で第15回電撃小説大賞銀賞を受賞。2008年主要新人賞を4賞受賞し、今最も注目を浴びている作家の一人である。
【『庵堂三兄弟の聖職』あらすじ】
遺体を加工して食器や家具、皮革製品などを作り出す「遺工」を、代々家業としてきた庵堂家。家業を継いだ職人気質の長男・正太郎、家業を避け東京で働く次男・久就、正太郎の手伝いをする三男・毅巳。父親の七回忌で、久しぶりに集まった三兄弟のもとに、ある遺工の依頼が持ち込まれて……。
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「常識を取っ払ったところで人がもがき苦しむ姿を描いた」―【著者インタビュー】真藤順丈さん『庵堂三兄弟の聖職』作者(3)
[2008/12/26 配信]










