毎日の生活の中で、ちょっとしたことに悩んだり、立ち止まってしまったりすることは誰もが経験することです。しかし、そこでどのような学びを得られるかが、人生を前に進める上で大切になります。
弘法大師の名で知られ、真言宗の開祖である空海は、教育者としても知られ、日本で初めて庶民に開かれた学校である「綜芸種智院」を創立しています。
そんな空海が残した著作の中から88の言葉を現代語訳し、どのように私たちの学びに生かせるかをつづった『空海さんに聞いてみよう。』(白川密成/著、徳間書店/刊)から、ちょっと立ち止まったときに、また人生を前に進めるための“心の処方箋”となる4つの言葉をご紹介します。
■周囲の声に惑わされ過ぎない
何かに気づいたり、決心して人に言うとき、それが希少な意見や行動であればあるほど「そりゃ話にならない」「無理だからやめておけよ」という声がかかるもの。その度に思いとどまったり、諦めてしまうこともあるのではないでしょうか。
しかし、「自分の声、気づき」をなかったことにしてしまうのは悲しいことです。いつでも自分が正しいわけではありませんが、周囲に振り回され過ぎず、自分の足で進みましょう。
■古い物を学び、真似で終わらない
仕事においてレベルアップしたいという人はたくさんいるはずですが、空海は詩や書の世界を例にして「古い方式や形式を学ぶことは、いいことだが、それを写したり似せたりする場所にとどまってはいけない」と語りかけます。
「学ぶ」「習う」ことと「写す」「似せる」ことは別です。真似で終わるのではなく、自分のオリジナルのアイデアを加えてみる。これが空海のクリエイション論なのです。
■「わからない」からはじめる
「文に臨むも心昏(くら)し。願つて赤県を尋ぬ」これは空海自身の言葉で、経文を呼んでも一向に理解できないから、教えを求めて、中国を訪れようと決心したという意味です。
空海も実は「わからない」から学びをはじめていました。人前に立つとどうしてもわかったふりをしてしまいがちですが、自分の中にある「わからない」を大切にして、一歩足を前に進める試みをしてみてはいかがでしょうか。
■専門ばかりにかたよらない
空海は、寺院の僧侶が仏教の経典のみを学習し、大学の秀才は仏典以外の書物を読みふけっている実情から、新しい学びの場としての学校を設立しました。
多くの人が忙しさや思い込みから、自分が仕事としている分野や興味のあるジャンルだけに学びや遊びを集中していきますが、空海はそうではなく専門外のことを学ぶことも大事なことだと言います。
著者の白川さんは四国の栄福寺の住職。そんな白川さんは、弘法大師の言葉の中には私たちが道に迷ったとき、人間関係に困ったとき、生きるエネルギーが足りないと感じるときなどに大きな感触を得ることができる言葉がたくさんあると言います。
1000年以上の時を経て残ってきた言葉。それは、どの時代でも人々に勇気や希望、そして学びを与えてきた、普遍的な価値のある言葉といえます。もし今、悩みや迷いがあったら空海の言葉に耳を傾けてみるのもいいかも知れませんね。
(新刊JP編集部)
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