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2009年06月01日 12時配信

新聞社が「読者数」ではなく「発行部数」を公表するワケ―【書評】『徹底検証 日本の五大新聞』


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本書はジャーナリズム論というより経営論に重点を置いているが、読み応えはばっちりだ
本書はジャーナリズム論というより経営論に重点を置いているが、読み応えはばっちりだ
 新聞社が発表する「発行部数」という数字。

 例えば讀賣新聞は公称1000万部と言われているが、これは、讀賣新聞、朝日新聞毎日新聞日本経済新聞産経新聞の5大新聞の中では、最も高い数値を誇っている。
 つまり、讀賣新聞は人々から「最も読まれている新聞」である。

 …と受け取ってしまいがちだが、果たしてそうだろうか。

 発行部数は、簡単に言えば、刷った部数であり、もっと厳密に言えば新聞社から全国の販売店に送られた数のことを示す。
 しかし、それは実際に読まれた数とは異なる。

 つまり、販売店には「残紙」という、いわば「売れなかった新聞」が相当量あり、すなわちそれは「読まれた新聞」とは言わない。

 だから、発行部数が1000万部であっても、1000万人が読んでいるわけではない。しかし、その一方で発行部数は新聞の広告価値を決める重要な指標となる。
 こうなると、「刷ったもの勝ち」の世界になりかねなくなるのは目に見えて分かる。

 本書『徹底検証 日本の五大新聞』はこうした新聞社の抱える矛盾の指摘から始まり、5つの新聞の問題点や、業界そのものの構造のゆらぎを指摘する。

 新聞社のビジネスモデル破綻が叫ばれてから久しいが、本書を読むと5大新聞の行く末が非常に悲観的であることが分かってくる。
 そうした中で新聞社はビジネスとしての「新聞」とジャーナリズムとしての「新聞」をどう保っていくのか。新聞の明日を予言する一冊だ。
新刊JPニュース編集部)

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『徹底検証 日本の五大新聞』
著者:奥村宏
出版社:七つ森書館
定価(税込み):1890円
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