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【ツキイチ“田中の本まみれ”】第1回・話題の映画、原作本を読みまくってランク付けしてみた

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 こんにちは、新刊JP編集部の田中です。
 この企画は毎月テーマを設定し、それに当てはまる5冊を編集部が独断と偏見でピックアップ。その5冊を全て読みきり、勝手にランキング付けをしてしまおうというもの。

 今月のテーマは「話題の映画の原作本を斬る!」ということで、この冬公開される予定の映画の原作本をチョイス。さらに、私が日本の現代文学が好きということもあり、以下の5冊を選んでみた。


・『笑う警官』佐々木譲/著 角川春樹事務所


映画公開中
・『ゼロの焦点』松本清張/著 新潮社


映画公開中
・『ゴールデンスランバー』伊坂幸太郎/著 新潮社


映画版は2010年1月30日公開
・『誘拐ラプソディー』荻原浩/著 双葉社


映画版は2010年4月公開予定
・『月のしずく』浅田次郎/著 文藝春秋


映画版タイトルは「銀色の雨」/現在島根・鳥取にて先行公開中


 裏話をすると、この5冊を手渡されたのは、実はこの原稿を書く約1週間前。以前読んだことがある作品もあったが、内容がうろ覚えの部分もあり結局読み直す羽目に。

 そして、毎日のように読み続け、私はヘロヘロに…
 なるかと思いきや、そうでもなく、「どの物語も面白かった」という爽やかさが残った。でも、映画化されるにはそれなりに面白い本である必要がある、と考えると自然か。
 ちなみにレビューでは結構辛辣な意見も書いているが、あくまでも一読者の感想なので、怒らないで読んで欲しい。


5位 『ゼロの焦点』松本清張/著(新潮社)[本書のあらすじと感想を読む]
4位 『笑う警官』佐々木譲/著(角川春樹事務所)[本書のあらすじと感想を読む]
3位 『誘拐ラプソディー』荻原浩/著(双葉社)[本書のあらすじと感想を読む]
2位 『月のしずく』浅田次郎/著(文藝春秋)[本書のあらすじと感想を読む]
1位 『ゴールデンスランバー』伊坂幸太郎/著(新潮社)[本書のあらすじと感想を読む]


 ◆総評
 ここからは総評だ。まずはランキングの理由を紹介。
 1位の『ゴールデンスランバー』は断トツ1位。「とにかく面白い」、それだけが理由だ。ただ逆に、ファンとして映画化は不安。演技派俳優・堺雅人がどのような青柳を見せてくれるか、期待したいところだ。
 2位の『月のしずく』は、個人的に浅田次郎が好きな作家であるという贔屓目がありつつ、どの短編にも浅田次郎的な味があった。3位の『誘拐ラプソディー』は最近読んだ荻原浩の作品『四度目の氷河期』があまり好みではなかったため、実は期待していなかったのだが、展開が速くどんどん読めて意外な面白さを感じた。ただ、コネタの白けっぷりだけが残念でならない。
 4位の『笑う警官』は、元々、単行本が刊行された時は『うたう警官』というタイトルだったが、映画化に際し文庫版も「笑う警官」に改題された。その理由は文庫版のあとがきで佐々木譲本人が書いているが、映画監督でもあり出版元でもある角川春樹事務所の角川春樹顧問から改題を打診されたそうだ。「うたう」という言葉はもともと「密告する」などの意味をもった隠語で、本作のキーワードとして出現する。だから、「笑う警官」というタイトルはストーリーにそぐわないように感じた。そのエピソードを目にしたとき、出版社の権力にイチ小説家は屈してしまったのかなと感じ、本作を4位にした。
 そして5位は、5冊の中では最もミステリアスかつ暗いイメージだった『ゼロの焦点』。実は最後まで何位に入れるか迷ったのだが、「暗い話はイヤ」という単純明快な理由から、最下位とした。逆にミステリアスな物語が好きな方にはこちらを勧めたい。

 また、「誘拐ラプソディー」の映画はもともと12月公開予定だったが、麻薬取締法違反罪で世間を騒がした押尾学被告が出演していたため「お蔵入り」しかけていた。だが、ここで一肌脱いだのが本作の監督でもある榊英雄。榊自ら代役を務め、押尾被告の出演シーンを撮り直し、なんとか来年4月公開にこぎつけたという曰くつきだ。これを知った瞬間、なんとなく応援したくなった。

 さて、ここまで勝手なことを散々述べたが、最初にも述べたように5冊はどれも面白かった。そして、このランキングを見てどれかに興味を持っていただき、本を手に取るなり、映画館に足を運ぶなりしてくれたら幸いだ。では、また来月!
(新刊JP編集部/田中規裕)
[2009/11/20 配信]

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更新:2010/02/09
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