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自律神経は1分で整う! ──人生が変わるお口の健康と自律神経の話

定価 :

1,300円+税

著者 :

今野 清志

出版社:

自由国民社

ISBN :

4426122562

ISBN :

978-4426122560
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BOOK REVIEW書評

自律神経と健康との関係は、今では広く知られるようになっています。

ただ、不規則な生活や睡眠不足、ストレスなどによって、自律神経のバランスはいつのまにか乱れてしまっていることが多いもの。その結果、体に変調をきたしてはじめて本人がその乱れに気がつくということになりがちです。

■自律神経の乱れは「唾液」にあらわれる

本書によると、自律神経のバランスがきちんと取れているかのバロメーターは、口の中の唾液の量。唾液の分泌をコントロールしているのは自律神経である以上、きちんとはたらいていないと唾液が少なくなり、口の中が常に乾いたりねばついたりする「ドライマウス」になりやすいといいます。

唾液には食べた物の消化を助け、ウイルスの体内への侵入を防ぎ、口内を清潔に保つなどの役割があり、健康と直結します。だから、ドライマウスは単に口だけの問題ではなく、免疫力や体全体の健康にかかわる問題。もちろん口臭や歯周病の原因にもなります。どうすれば予防したり、改善したりすることができるのでしょうか。

■その場でできる 唾液の分泌を促進するエクササイズ

原因が自律神経の乱れである以上、ドライマウスの改善には生活習慣の見直しが必須。ただエクササイズでも、唾液が分泌されやすくする状態を作ることは可能なのだとか。本書では、そのための様々なエクササイズを紹介しています。

  • 耳下腺マッサージ

    両手の、親指以外の4本の指をほほ骨の下あたりにあて、上の奥歯あたりをぐるぐると円を描くように10回マッサージする。
  • 顎下腺マッサージ

    両手の親指の先を下顎の骨の内側にあて、耳の下から顎の先まで優しくプッシュする。
  • 舌下腺マッサージ

    両手の親指の先を使い、顎の下から軽く上にプッシュする。

これらを試してみると、どれも口の中で唾液の分泌が促されるのがわかるはず。ドライマウスに悩まされてきた人も、習慣的に続けていけば症状の改善につながるかもしれません。

また、本書では、唾液の分泌促進はそもそもドライマウスの原因となっていた自律神経の乱れの改善にもフィードバックされていくとしています。

「なんとなく調子が悪い」「寝つきが悪い」「疲れやすい」といった、ぼんやりとした体調不良に悩まされている人は、本書を参考に唾液の分泌に注意を向けてみると、状態を改善させるきっかけになるのではないでしょうか。

(新刊JP編集部)

INTERVIEWインタビュー

――『自律神経は1分で整う! ──人生が変わるお口の健康と自律神経の話』について。今野さんはこれまで「目」や「耳」についての本を出してこられました。今回「口」に注目された理由がありましたら教えていただきたいです。

著者写真

今野:
私の施術院ではもともと全身を診ているですが、その中で日々感じているのは、目や耳、口といった「首から上」の部分に不調を抱える人がものすごく多いことです。

それがあったから、私は目の不調、耳の不調についての本をこれまでに書いてきましたが、その流れで今回は口ということですね。目にしても耳にしても、扱う本は極めて少ないですし、特に口についてもそうです。

口の中についての本は、基本的には歯科医の見地から書かれたものがほとんどということもあって、多くの人が口の中の状態が自分の健康とどう関係するのかを知りません。だから、私は中医学という別の見地から、口と全身との関わりを知ってもらおうとして今回の本を書きました。

――本書では、自律神経の乱れが唾液の分泌量を減らし、それが様々な不調に結びつくとしています。

今野:
個人差はあるでしょうが、ほとんどの人は体を健康に維持できるような機能を備えて生まれてきます。唾液もそうで、きちんと分泌されることによって殺菌機能で虫歯や歯周病を防いだり、消化を助けたりしています。

自律神経というのは長い時間をかけて少しずつ乱れていくもので、その影響がどこにどうやって出ているかというのはなかなか気がつきません。それであるとき「何を食べてもおいしくない」「味がしない」など味覚に異変が出たり、口臭が出たりしてようやく自覚するわけです。

――その時には唾液の分泌はかなり減ってしまっている。

今野:
そうですね。私たちは口の中のことは、虫歯以外あまり気にしないので、余計気づきにくいのかもしれません。

付け加えるなら、口臭の場合は唾液の分泌が減っていることも原因なのですが、胃腸の働きが弱っているともいえます。

これも自律神経の乱れから来ていることが多いので、たとえば口臭が気になるからといって歯科にかかっても根本的な解決にならないことがある。中医学は、全身をひとつなぎで連動しているものとして見るので、口臭に限らず不調の本当の理由にあたりやすいといえます。

――その他、自律神経の乱れはどんなところにあらわれるのでしょうか。

今野:
あらゆるところに出ますし、特にその人の体の弱い部分に出ます。内臓に出て胃腸の働きが悪くなる人もいますし、目の眼房水が少なくなる人もいる。

それと、自律神経の乱れはどこかに痛みが出るのではなく、むしろ痛みを感じなければいけないところで痛みを感じない状態になりやすいんです。私のところに来る人でも、ふくらはぎの裏の「承山(しょうざん)」を、押すと飛び上がるほど痛いツボを押しても全く痛くないという人が多くいます。

五感が鈍くなるというのも、自律神経の乱れの大きな特徴ですが、そのせいで自分が火傷をしていることに気がつかないご老人がいたりするので、危険なことだと思いますね。

――自律神経は長い時間をかけて乱れていくというお話がありました。となると、元に戻すのにもやはり長い時間がかかるのでしょうか。

今野:
それはやり方にもよります。手っ取り早く改善したいなら運動が一番で、特に内臓を刺激するような運動ですね。私は「臓器に汗をかく運動」と言っているのですが、ジャンプは内臓を刺激しますし、呼吸だって、少し意識をすれば内臓を使う立派な運動です。それらの詳しいやり方を今回の本では解説しています。

音楽を聴いてリラックスするといった方法もありますが、これはあくまで表面的なものです。自律神経の乱れの根本的な解決にはならないというのは覚えておいた方がいいと思います。

――本書では、自律神経の乱れがドライマウスを引き起こし、ドライマウスの改善が自律神経の乱れの改善につながるとされています。自律神経が乱れていると唾液が少なくなるのはわかりますが、唾液が少ないのは自律神経の乱れのいち症状であって、唾液を増やせば自律神経が整うという論理は成り立たない気がします。この辺りはどう理解すればいいでしょうか。

今野:
これは論理が逆転しているわけではなく、この本で「ドライマウス」を改善するための運動として紹介しているエクササイズは、いずれも自律神経全体を整えるためのものだということです。

ドライマウスの改善はもちろん、全身の調子が上がってくるはずなので、試してみていただきたいですね。

――ただ、唾液は年齢と共に分泌量が減るとも聞いたことがあります。

今野:
「歳だから仕方がない」と諦めるのは少し違っています。これは体の衰え全般に言えることですが、加齢とともに人の体がどう変わるかというと、栄養と酸素の吸収量が減ってくるんです。つまり、一種の栄養失調なわけで、それさえ補ってあげれば歳をとっても、体の機能はそれほど衰えません。年齢以上に衰えてしまう人と、いつまでも元気な人の違いはそこにあります。

栄養の取り込みは内臓の役割で、内臓の働きを司っているのは、やはり自律神経なんです。だから自律神経を整えるように運動をしたり、栄養を積極的に摂ったりということは普段から心がけるべきです。

――酸素についてはいかがですか?

今野:
30代の人と比べると、50代の人は酸素の最大摂取量が65%になるといわれます。60代になると60%で、70代だと50%です。

酸素は人間の生命を維持する原動力ですから、その摂取量が減った状態で栄養をたくさん摂ろうとしても、食が細くなってなかなか食べられません。栄養状態の改善と酸素の摂取量の改善はセットで考えるべきで、心肺機能も日頃から鍛えておくことが大切です。

――夏の盛りは過ぎたとはいえ、まだ暑い日も多いです。こういう時期は自律神経が乱れやすいと聞きますが、乗り切るためのアドバイスをいただきたいです。

今野:
暑い時期は心臓に負担がかかりますし、朝晩と日中の寒暖差で内臓も弱りやすいといえます。

乗り切るためのアドバイスになるかはわかりませんが、やはりいつも以上に生活習慣に気を配っていただきたいということに尽きますね。きちんと食べてきちんと眠るという、「隗より始めよ」ではないですが、基本的なところを見直していただいたいです。

――最後になりますが、読者の方々にメッセージをお願いいたします。

今野:
繰り返しになりますが、口はものを食べて、言葉を話してという、人間にとってとても重要なものなのですが、その認識がない方があまりにも多いので、まずは自分の生活や健康と口の状態との関わりに気づいてほしいと思います。

そこから、どのように口の状態と自律神経の乱れを改善していくかということは、本の中でくわしく書いています。この本が、健康を取り戻したり、健康について考え直すきっかけになればうれしいですね。

(新刊JP編集部)

BOOK DATA書籍情報

プロフィール

今野 清志

1953年、宮城県本吉郡で軍人の父と小学校教師の母親のもとに生まれる。困っている人たちを見過ごせない父親は、毎日、人助けに明け暮れていた。ついには知人の借金の保証人になり、所有していた木材加工工場などすべてを失ってしまう。家にはお金を入れず、酒乱気味だった父だが、人望が厚く、亡くなったとき町で一番多くの人たちが葬式に集まった。著者はこの父親の生き方を見て、「人の役に立つ」人生を選択する。そんな父親をあらゆる面で「超えたい」と体を鍛え、中学では柔道で東北大会のチャンピオンとなる。高校時代も宮城県で1位となったが、高校2年のとき練習のしすぎでヘルニアになり、泣く泣く柔道を断念。代わりに勉強に励み、中央大学法学部入学。在学中は、海外文学に親しみ、演劇を目指したり、政治家を目指したりと、たくさんの可能性を探る。卒業後、予定していた演劇留学がキャンセルとなり、さまざまな運命の偶然から、慈恵医大のアイソトープ科に出向して医学を学ぶ。当時日本で初めてのRIの血液検査を紹介しながら各科の医師との交流を深め、患者を救うには予防医学が最も大切だということに開眼。薬を使わない治療法の確立を、ライフワークとするようになった。そして、中医学に出会い中国に渡り、中国北京国際針灸倍訓中心結業・中国中医研究院で研修などを行う(現在提携院)。30代から東中野・赤羽・銀座・日本橋などに整体治療院を開業。現在は日本橋茅場町本院と東中野分院に開業。日本リバース院長 目と耳の美容室院長 目と耳の美容学院学院長ベストセラー『目は1分でよくなる!』『耳は1分でよくなる!』(自由国民社)他、著書多数。

目次

  1. はじめに
    1. 「自律神経」が整うと、全身が健康になる!
    2. 自律神経が人生のパフォーマンスを決めている
    3. 「自律神経の乱れ」は、対処療法では治らない
    4. 自律神経の乱れは「だ液不足」に現れる
    5. 「だ液」が増えれば免疫力がアップする
  2. 第1章 「だ液」はあなたの最大のガードマン
    1. だ液は健康のためにせっせと働いている
    2. だ液と免疫のふか〜い関係とは?
    3. だ液はカラダの「酸化度合い」も表してくれる
    4. だ液で免疫力が強力にパワーアップする理由
    5. 中医学では「生命の源」から湧き出るのがだ液
    6. あなたの「ドライマウス」度をチェック!
  3. 第2章 危険!ドライマウスは万病のモト
    1. だ液が減ると口の中はトラブルだらけ
    2. なによりも問題なのは、コワ〜イ歯周病菌
  1. 第3章 自律神経の乱れがドライマウスを招く
    1. 「口呼吸」はドライマウスの大きな原因
    2. だ液の分泌量が減ってしまうのはなぜ?
    3. 「ネバネバだ液」が口を乾かしてしまう
    4. 自律神経がドライマウスのカギを握る
    5. 自律神経は、あくまでもバランスが大切
    6. だ液の量は年齢には関係ない
  2. 第4章 自律神経を整えるエクササイズ
    1. 基本中の基本「リラックス呼吸法」
    2. 深い呼吸ができる「ぐるぐるマッサージ」
    3. 自律神経を整える「背骨ツイスト」
    4. 自律神経を整える「ツボ」をおさえる
    5. だ液がどんどん出る「だ液力アップマッサージ」
    6. 口が乾かない「口を閉じる口輪筋エクササイズ」
    7. 自律神経を整えて、全身を活性化する
    8. 「ニコニコジャン」
  3. 第5章 今すぐ始めよう! だ液を増やす生活
    1. 多くの人が「口が乾きやすい」生活を送っている
    2. 「だ液を増やす生活」3原則
    3. だ液を増やす「食」
    4. だ液を増やす「衣」
    5. だ液を増やす「住」
  4. あとがき
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