だれかに話したくなる本の話

新刊ラジオ第1666回 「なぎさ (単行本)」

幼なじみ同級生の夫婦のもとに妻・冬乃の妹・菫(すみれ)が転がり込んできたことで、それまで静かだった生活は波打ち始める。そして夫の会社の後輩・川崎は、恋人のために夢を捨てて堅実に生きようとしながらも、複雑な想いを抱えていた。――人生の半ば、暗路に迷い込んだ夫婦、姉妹、恋人たちが、互いにぶつかり合いながらも生きる道を模索し、それぞれにとって大事な人との繋がりを確かめ合っていく。

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概要

こんにちは、ブックナビゲーターの矢島雅弘です。

早速ですが、内容の紹介にまいりましょう。

物語には二人の主人公がいます。

1人は、長野の田舎から上京し、地元の幼馴染・佐々井と結婚した冬乃。

幼い頃から海に憧れを抱いていた冬乃は、神奈川県の久里浜で夫と慎ましい 生活をしていました。

そこへ、東京で暮らしていた冬乃の妹・菫(すみれ)が、住んでいたアパートで小火を起こしたことから、冬乃の家に転がり込んできます。

そしてもう1人の主人公は、冬乃の夫の会社の後輩・川崎。

お笑い芸人を志していた川崎は、恋人・百花(ももか)のために夢を捨て、 営業マンとして再出発をしたのですが、入った会社はどうしようもなくヒマで 悶々とした日々を送っています。

この二人の視点でストーリーは進んでいきます

そんなある日、菫が久里浜でカフェを開くことを決めたことから物語は静かに動き出します。

では、物語の一部をドラマにしてみましたので、どうぞ本編をお聴きください。

◆著者プロフィール 山本文緒さんは神奈川大学卒業後、会社員生活を経て、1987年『プレミアム・プールの日々』でコバルトノベル大賞・佳作を受賞。1992年、少女小説から一般文芸に移行し、99年『恋愛中毒』で第20回吉川英治文学新人賞。2001年 『プラナリア』で第124回直木賞受賞した。 本作『なぎさ』は中編小説集『アカペラ』以来5年振りの新刊。『恋愛小説』 以来15年振りの長編小説です。

なぎさ (単行本)

なぎさ (単行本)

なぎさ (単行本)

幼なじみ同級生の夫婦のもとに妻・冬乃の妹・菫(すみれ)が転がり込んできたことで、それまで静かだった生活は波打ち始める。そして夫の会社の後輩・川崎は、恋人のために夢を捨てて堅実に生きようとしながらも、複雑な想いを抱えていた。――人生の半ば、暗路に迷い込んだ夫婦、姉妹、恋人たちが、互いにぶつかり合いながらも生きる道を模索し、それぞれにとって大事な人との繋がりを確かめ合っていく。