だれかに話したくなる本の話

新刊ラジオ第1853回 「教場2」

――その警察学校には鬼がいる。
“退校”までのタイムリミットは1週間。
紛失した警察手帳を見つけることができなければ、即時退校を言い渡された学生・桐沢篤は、得体のしれない雰囲気を纏う担当教官・風間とともに失くした手帳の捜査を始める。桐沢の手帳は紛失だったのか、あるいは……。
大ヒット警察学校小説の第2弾がいよいよ登場!!(提供・小学館)

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突然の退校宣言、タイムリミットは一週間――

こんにちは、ブックナビゲーターの矢島雅弘です。

今回ご紹介するのは、警察学校が舞台となった短編小説で、2013年に出版された「教場」の続編にあたります。

警察を題材にした小説は多く見かけますが、「警察学校」がメインというのは珍しいですね。

書籍の担当者の方に少しお話を聞いた所、警察学校を綿密に取材されたそうで、リアルと創作が混在した絶妙な物語になっているそうです。

本作は短編で毎話ごとに主人公が異なるのですが、今回は書籍の中から「創傷」という物語をピックアップしてご紹介していきます。

元医者という異色の経歴を持つ桐沢篤(きりさわあつし)は、風間公親(かざまきみちか)率いる風間教場の学生。

彼は耐震補強工事が行われる影響で、連休中に別の寮へ引っ越し作業をしていました。

その時、自分の荷物から警察にとって最も重要とも言える「警察手帳」が失くなっていることに気がつきます。

「警察手帳を紛失した場合、即退校」

紛失を隠すべく、装備のチェックが行われる点検教練という授業を仮病で欠席していた桐沢ですが、担当教官である風間に仮病、手帳紛失の件を見抜かれてしまいます。

もともと優秀な成績であったため、風間の判断により退校を一時免れますが、次の点検教練までに見つけることができなければ、やはり退校ということに。

退校までのリミットは1週間。

桐沢は、手帳を見つけることができるのか。

それでは、物語の一部をドラマにしましたので、どうぞ本編をお聴きください。

◆著者プロフィール 長岡弘樹さんは1969年、山形県生まれ。 2003年、「真夏の車輪」で第25回小説推理新人賞を受賞。 2008年、「傍聞き(かたえぎき)」で第61回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。 同作を収録した文庫「傍聞き」は、40万部を超えるベストセラーとなりました。 また、本作「教場2」の前作である「教場」は、週刊文春「2013年ミステリーベスト10国内部門」第1位に輝き、14年本屋大賞にもノミネートされました。

教場2