だれかに話したくなる本の話

新刊ラジオ第1907回 「小倉昌男 祈りと経営」

「宅急便の父」とも呼ばれるヤマト運輸元社長・小倉昌男。
「宅急便」というシステムを生み出し、ビジネス界でも名経営者として知られる彼は、現役引退後、46億円もの私財を投入して障害者福祉に晩年を捧げた。
しかし、そこまで多額の私財を投じた理由は語られたことはない。
本書は、「小倉昌男」という人物を長期にわたる綿密な取材によって、知られざる人物像と、抱えていた苦悩、驚きの真実を綴った渾身の一冊である。(提供・小学館)

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「宅急便の父」が晩年、私財46億を投じて目指したものとは?

みなさんこんにちは。ブックナビゲーターの木村希美です。

今回ご紹介するのはノンフィクション本ということで、ビジネス界隈でも有名な経営者・小倉昌男氏を追った作品ですね。

話の大筋としては、なぜ小倉氏は晩年に46億円もの私財を投じて障害者福祉に乗り出したのか、という謎を当時を知る人物たちに直接話を聞いて真相に迫っていくという内容です。

取材過程で森さんは様々な方々に話を聞いているのですが、本当に細い繋がりまで引き出し、小倉昌男という人物像を立体的に描写しています。

また、話のメインである経営、福祉の話はもちろんですが、特に小倉氏の家族に焦点を当てたエピソードは、単なるノンフィクションの枠を超え、一つの家族ドラマのような感覚で読むことが出来ました。

ここはぜひ注目していただきたいですね。

というわけで、今回はスタジオに著者の森健さんをお迎えして、実際にお話を伺っていきたいと思います。

ぜひ、本編をお聴きください。

◆著者プロフィール
森健さんは、1968年、東京生まれ。ジャーナリスト。 大学在学中からライター活動をはじめ、科学雑誌や総合誌の専属記者で活動。 96年からフリーランスとして活躍されています。 本作「小倉昌男 祈りと経営」で、第22回小学館ノンフィクション大賞受賞。 ビジネス書大賞2017では審査員特別賞を受賞されています。

小倉昌男 祈りと経営

小倉昌男 祈りと経営

「宅急便」の生みの親であり、ビジネス界不朽のロングセラー『小倉昌男 経営学』の著者として知られる名経営者は、現役引退後、私財46億円を投じて「ヤマト福祉財団」を創設、障害者福祉に晩年を捧げた。しかし、なぜ多額の私財を投じたのか、その理由は何も語られていなかった。取材を進めると、小倉は現役時代から「ある問題」で葛藤を抱え、それが福祉事業に乗り出した背景にあったことがわかってきた――。