だれかに話したくなる本の話

新刊ラジオ第1156回 「「やる気」が出るコツ、続くコツ―わかっているけど動けないあなたへ」

心が疲れ気味のあなた、元気をとり戻したいあなた。気持ちを切り替えるヒントはいかがですか? いつも明るく前向きに見える和田裕美さんが「私だって落ち込む時もありますよ」と、等身大の目線で、やる気の出るコツを教えてくれる本書。親しみやすく、勇気が出てくる一冊です。

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やる気が出て、続くためのアドバイス

◇ 和田裕美(わだ・ひろみ) 外資系教育会社でのフルコミッション営業時代に、プレゼンしたお客様の95%から契約を頂く圧倒的な営業力で、日本トップ、世界No2の成績を収めた方です。2001年に株式会社ペリエを設立し、2003年からは、並行してビジネス書の執筆もされています。

この本は、和田裕美さんが教えてくれる「やる気の出るコツ」そして「やる気が続くコツ」がテーマになっています。なんだかやる気が出ない方、自分を嫌いになってしまった自己嫌悪のレベルの方、うつ病一歩手前のレベルの方。どの方も、参考になる意見が見つかると思います。

和田裕美の「やる気が出てくる」5つのアドバイス

本の中から、ぜひ試してみてほしい5つのアドバイスを紹介します。 知ってみるだけでも、すこしだけ元気に過ごせそうなヒントです。

・ 動けることから動き出す 仕事をやる気にならないのであれば、料理でも、スポーツでも、散歩でも、何でもいいから体を動かすことが大事なのだそうです。とにかく一歩を踏み出すことができれば、それが電源を入れるスイッチになるので、動けることから動き出すことを和田さんは勧めています。

・ 「達成」でなく「経験」を目的に やる気が出ない人、動けない人に共通する悩みとして、往々にして「失敗を恐れる気持ち」があるといいます。当然ながら、誰だって失敗はしたくないものです。しかし、失敗を恐れて動けないと、状況は何も変わりません。

そこで和田さんが勧めているのは、 何かをする時は「達成」でなく「経験すること」を目的にする。 という方法です。

感覚的には、「一口食べてみよう」という、軽さです。食べてみなければ美味しいか不味いか分かりません。不味かったとしても、「それが分かっただけでも一歩前進だな」と思えば、経験はどんどん蓄積されていきます。

失敗しても、経験できれば、その行動には意味があったといえます。 失敗を恐れて動けない人は、「ちょっと経験してみようかな」という前向きな気持ちで、まずはチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

もやもや感とさよならするアドバイス

・ できている部分に目を向けてあげる これは「自分は不幸だ」「自分は何をやっても成功しない」という自分嫌いの人にお勧めです。人間には長所と短所があるのだから、長所に目を向けましょうというアドバイス。その長所の探し方がユニークです。

Q.もし、皆さんが本を書くとしたら、どんな本を書くでしょうか?

この質問の答えが、自分の長所を探すヒントになります。 和田さんは「人に元気を与える本」「変わりたい人の手助けをする本」をよく書きますが、これは和田さんはそれが得意だからということです。 一方で、「絶対に儲かる不動産投資」「ダイエット本」などは和田さんは書きません。こういったことは得意ではないからです。 輝いて見えるビジネス著者の人にも、長所短所があり、その長所を表現しているに過ぎないのです。 自分の長所を本として出版することを考えると、「自分のできること」「自分の得意なこと」「自分の好きなこと」がだんだん見えてきます。

・ 誰かを励ます このアドバイスは和田さんの体験談に基づいたものです。 ある知人(男性)から聞いたエピソード。

「会社でも結果が出なくて辞めようかと迷って相当落ち込んでいるときに、愚痴を聞いてもらうつもりで友人に会ったら、相手から先に会社を首になったと告白されたんです。そいつ、かなり落ち込んでいたんです。 気がついたら、僕は彼を必死で励ましていて、そいつのいいところを10個くらい、いやもっと挙げて、今は休憩してたらいいじゃん、今は勉強する時期だと思って焦んないでいいよ、とか言っていて、自分のことはそっちのけで彼に声をかけていたら、なんだか帰るときは自分も『明日から頑張ろう』と思えたんですよね。」

「誰かをほめる立場になる」ことも、やる気を出す方法のひとつになります。心のエネルギーをもらうのではなく、誰かのために使うことで、またエネルギーが湧いてくるのだそうです。

コラムを交えつつ、4章構成で「やる気が出る」ちょっとしたヒントをアドバイスしてくれます。どのアドバイスも、「ちょっとやってみようか」と思えるシンプルなものです。

心が疲れ気味の方、元気をとり戻したい方、ぜひ試してみて下さい。 「やる気の出るコツ」で元気をとり戻したら、「続くコツ」で、元気を維持してみてはいかがでしょうか?