だれかに話したくなる本の話

新刊ラジオ第1165回 「エコブランディング ―なぜ富裕層はエコ商品を選んでしまうのか?」

「エコで儲ける!!」をテーマに、起業ブランド構築と、エコマーケティング手法の事例と実践法を著した本。金持ちはなぜ「エコ」に金を落とすのか? 「エコ」を大切にする会社はなぜ急激に成長するのか? エコで儲けるためのイマジネーションを刺激してくれる実践的な一冊です。

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エコで儲けるなら、今のうち?

今日の新刊ラジオは、「エコブランディング」に関する本のご紹介でした。

「エコ」といえば、地球環境のために良いことという、ちょっぴりクリーンなイメージがあります。しかし、この「エコ」。実は商業的に見ると、とっても儲かる言葉なんです。

エコカー減税、エコポイント、オール電化、エコキュートなど、エコ商品の人気は絶えません。それはなぜかというと、消費者側はそれを求めていて、企業側は儲かる仕組みができているからです。

つまりこんなことが言えそうです。

お金持ちは「エコ商品」に金を落とす。

「エコ」を大切にする会社は成長する。

ならば、今のうちに「エコ」で儲けておこう!という方。 ぜひ今日の新刊ラジオを聴いて、本も読んでみて下さい。

次のページでは、エコで儲けるビジネス事例について書きます。

エコで儲けるビジネス事例

この本のテーマは、 エコで、儲ける!!です。

1.金儲けに興味がある方(エコに興味がなくてもOK)。 2.エコに興味はあるけど、金儲けが苦手な方。 3.大企業や政府・自治体などの環境担当部門、CSR部門の方。

こんな方々は、読むといいことがあるかもしれません。

著者の中野博さんは、国際環境ジャーナリストであり、環境ビジネスコンサルタントです。 「エコハウス」「エコリフォーム」「エコライフ」などを指導されてきた方です。 国連地球環境サミットや、京都議会(COP3)など、公のシーンでも活躍されています。

本の概要としては、

1〜3章は、入門編。 「エコ」と「ビジネス」の関係をつかめるようになっています。 なぜエコが儲かるのか?そんなことを知りたい方は、最初から読みすすめていって下さい。

4〜5章は、ブランド経営について。 成功事例を分析してビジネスモデルをイメージしたり、自分の会社はエコに対して何ができるのか、現状把握ができるチェック項目などが書かれています。

6章は、実践編。 チャートやマニュアルなど、実用的な内容です。ビジネスモデルや、プランニングの際に役立つでしょう。

「エコブランドはなぜ売れるのか?」

それでは事例をひとつ紹介します。

2,000円のバッグに、オークションで250万円もの値が付いたことでも話題になった、アニヤ・ハインドマーチのエコバッグの成功事例について。

エコブランドを創りあげるには、環境への取り組みが感じられる物語が必要です。 その物語に消費者は引き込まれてゆくのです。 「自己投影型消費」と呼ばれるもので、ブランド戦略には欠かせないものです。

アニヤ・ハインドマーチは、「エコ」を「ファッション」として打ち出して、圧倒的に大成功しました。 これは、「世の中を少しずつ良くするために、日々できることから始めよう」をテーマに、英国のNPO「We Are What We Do」とのコラボレーションから生まれたそうです。

ここから学べることは、「お互いの得意分野でのかけ算で考える」ということです。

・ 英国のNPO「We Are What We Do」は、メッセージテーマを打ち出した。 ・ アニヤ・ハインドマーチは、デザイン性と機能性にすぐれたバッグを作った。

この2つが組み合わさって、メッセージ性があり、かつ機能面でもデザイン面でもすぐれたブランディング(=価値がある商品)が完成し、世界的にヒットしたわけです。

余談ですが、これを書いてる担当スタッフは、ホワイトバンドプロジェクトを思い出しました。手首にかけるだけの無機能なバンドに特別な価値はありませんが、ストーリーとファッション性があるから、人はお金を落としたのですね。

新刊ラジオ本編では、矢島さんがエコビジネスへの意見を述べつつ紹介しています。気になった方は、ぜひ今日の新刊ラジオを聴いて下さい。

エコブランディング ―なぜ富裕層はエコ商品を選んでしまうのか?

エコブランディング ―なぜ富裕層はエコ商品を選んでしまうのか?

「エコで儲ける!!」をテーマに、起業ブランド構築と、エコマーケティング手法の事例と実践法を著した本。金持ちはなぜ「エコ」に金を落とすのか? 「エコ」を大切にする会社はなぜ急激に成長するのか? エコで儲けるためのイマジネーションを刺激してくれる実践的な一冊です。