だれかに話したくなる本の話

新刊ラジオ第1211回 「スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則」

なぜ、アップルCEO スティーブ・ジョブズのプレゼンテーションは、人々を魅了し、世界を熱狂させるのでしょうか? その答えは、徹底的に練り込まれたプランニングと、並々ならぬ練習の賜物でした。本書は、iPhone発表時など、スティーブ・ジョブズの伝説のプレゼンを解説しながら、その技術を習得させるガイドブックです。そう、ジョブズのプレゼン力は、あなたも習得できるのです!……本書と、練習時間さえあれば!!

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スティーブ・ジョブズのプレゼン術を学ぶ

なぜスティーブ・ジョブズのプレゼンは、こんなにも面白くて、こんなにも人の心を揺り動かすのでしょうか? そして、世界中の聴衆を魅了することができるのでしょうか? 本書は、そのテクニックの正体を明らかにし、ジョブズのプレゼンテクニックを習得することを目的とした本です。

● 著者について カーマイン・ガロさんは、プレゼンテーション、メディア対応、コミュニケーションのスキルを教えるコーチ。「Business week .com」でのコラムの執筆や、講演活動、セミナー講師としても活躍しています。かつては、世界で十指に入る、グローバルな広告代理店でバイスプレジデントを務めていました。

訳者の井口 耕二(いのぐち・こうじ)さんは、名著「ウィキノミクス」の訳者です。

● この本のテーマは!? スティーブ・ジョブズのプレゼンを、“ジョブズ以外の人でも”できるようになるための、ガイドブック。

スティーブ・ジョブズといえば、アップルのCEOであり、世界一のプレゼンターです。本書は、スティーブ・ジョブズのプレゼンを、“ジョブズ以外の人でも” できるようになるよう凝らされています。

次のページでは、そのポイントを3つ紹介します。

ジョブズ以外の人にも、ジョブズ並のプレゼンができる?

1.プレゼンターとしてのジョブズにフォーカスしている 本書は、既刊にあるようなアップルの歴史を語る本ではなく、スティーブ・ジョブズのプレゼンターとしての部分にフォーカスした本です。ジョブズがプレゼンで実際に使っているテクニックを徹底気に分析しています。

2.実際のジョブズのプレゼンテーションの動画を見ながら学んでいける 本書で解説されている、ジョブズのプレゼンの動画は、Youtubeで公開されています。動画を見ながら、平行して本書を読み進められるように工夫されています。会話の間の取り方、声の大きさ、立ち方、座り方、手の使い方といったしぐさの他、ジョブズのコメントと、スライドに映し出されたものとの関係性などがわかり、より高い勉強効果が得られます。

3.ドーパミンが放出される ジョブズのプレゼンテーションは、ドーパミンを放出させる力があるといいますが、本書も、ドーパミンを放出させる力が備わっているように思えます。ジョブズのプレゼンは、3幕構成の演劇のような形を多く取りますが、この本も同じテイをとって、18の法則を、3幕を通して解説されています。

次のページでは、ジョブズのプレゼンテクニックを最大化するための“ある質問”をします。答えてみて下さい。

ジョブズのプレゼンテクニックを最大化するための質問

Q.あなたの仕事で、本当に売り込むものはなんでしょう?

人を引きつけるコミュニケーターには、共通して持っている能力があります。それは、難解な製品や、日常的な商品に、新たな意義を持たせる能力です。

たとえば、スターバックスのCEO、ハワード・シュルツはコーヒーを売っているのではありません。彼が売っているのは、「第3の場所」です。自宅でも職場でもない、ひとりになれるけど「ホーム」である、落ち着ける場所を売っています。

では、ジョブズが売っているものはなんでしょうか?

それは、コンピューターではなく、人の可能性を束縛から解き放つツールです。 ジョブズが、iPhoneの発表のときに「アップルが、電話を再発明する」と言ったのは、あまりに有名ですが、まさに、このトピックが、ジョブズが売りたいメッセージなのです。

ジョブズは、世の中を救いたい、宇宙に衝撃を与えたいという情熱に動かされて、仕事をしているといいます。ジョブズが使っているテクニックは、ジョブズの心の底からわき起こる情熱を伝えるためのテクニックであり、その情熱を伝えるために、聴衆に話しを聞かせるテクニックです。つまり、情熱がないと、テクニックの効果は半減してしまうわけです。

A.本当に売り込むものは、商品ではなく、「ストーリー」や「メッセージ」が正解です!

次のページでは、ストーリーを売り出すアップルのコマーシャルについて書きます。

アップルのメッセージを、たった30秒に凝縮した宣伝とは?

次の一文は、「シャザム」というiPhoneアプリの広告です。

-- この曲ってなんだっけ。  と、気になってしょうがないとき、ありますよね

そんなときはアプリストアにある シャザムというアプリケーションが便利です。

iPhoneに聞かせれば……すぐに誰の曲かわかるし、 手に入れることもできるんです。

アプリケーションを手に入れるたび、毎日のちょっとしたジレンマを解決。 それがiPhoneなんです。

問題と解決策を30秒で提示するという、シンプルで、かつ、共感されるメッセージを打ち出しています。これはほんの一例ですが、スティーブ・ジョブズは、こういったテクニックを駆使して、聴衆を惹きつけているのです。

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スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則

スティーブ・ジョブズを、丸ごと食べる。