だれかに話したくなる本の話

新刊ラジオ第1289回 「日本でいちばん社員満足度が高い会社の非常識な働き方」

日本で一番社員満足度が高い会社の作り方を大公開!!とってもユニークで、非常識? でも、急成長を続けている、ECスタジオの社長が、社員満足を高める方法論を伝授します。あなたの会社でも、明日から使える実用的な一冊。チームリーダーや、現場を指揮する立場の方は必読の書です。

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顧客満足より、社員満足を優先する理由

● 著者について

山本敏行さんは、株式会社ECスタジオ代表取締役。 学生時代、友人の誘いを受けてロサンゼルスに語学留学します。 留学先では、当時ドットコムバブルの全盛期であったこともあり、インターネットビジネスに興味を持ち2000年に起業。弟と共にECスタジオを立ち上げました。

帰国後の2004年に法人化しますが、儲け重視の体質が災いし、次々に主力のメンバーが離脱していく自体に陥ってしまいました。さすがに我流の経営スタイルに限界を感じた山本さんは、経営を学ぶために、1000人もの先輩経営者に会い、アドバイスをもらう日々を過ごします。

山本さんは多くの経営者と会う中で、うまくいってる会社の経営者に共通する3つのことに気づいたそうです。その3つとは…。 ・社員のために自分の時間を使っている。 ・社員の愚痴や不満を言わない。 ・自分の会社、自分の社員のことを楽しそうに話す。

うまくいってる会社の経営者は、まず、自分の社員のことを第一に考えているんです。そこで山本さんは、経営の本質は「社員満足」にあると、自分の中での答えを見つけ出したのです。顧客満足ではなく、「社員満足」なのです。

その後は「社員第一主義」をつらぬき、リンクアンドモチベーション社の「組織診断」において、2008年、2009年の2年連続で、「日本一社員満足度モチベーションのが高い会社」に認定されました。社員の離職率も減り落ち、売上も毎年140〜200%の成長を続けるようになったそうです。 この本は、山本さんが会社を経営する中でその重要性に気づいた「社員のモチベーション満足度を上げる方法論」が書かれた一冊です。 社員満足を上げるための根本的な考え方から、具体的な施策、また、それを実現するためのITツールの活用に至るまでを、包括的にまとめています。

そこまでやるか?社員満足戦略

「社員満足」が重要といっても、ここまでやるのか?!というものがたくさんありました。 たとえば、第一章では、社員満足を上げるための様々な工夫や手法が紹介されています。 一例としてあげられているのが、アメリカのビジネス誌「フォーチューン」で、「アメリカでもっとも働きがいのある会社」として評価されている、サウスウエスト航空空港。 サウスウエスト航空空港は、高い利益率を誇り、同時多発テロ後も唯一リストラをしなかった航空会社です。しかも、料金も安く、格安空港会社の模範となっています。 乗客には、フライトを楽しんでもらうために、ジョークを言ったり、ラップで機内アナウンスをするなどのパフォーマンスは有名なんだとか(YO!)。

ときに、「ふざけすぎ」とクレームも来るそうですが、サウスウエスト航空は、「当社は方針を変更する予定はなく、ご理解いただけなければ別の航空会社をご利用下さい」と、社員の“乗客を楽しませようとする試み”を優先させたのだそうです。

サウスウエスト航空空港は、「フライトクルーは真面目でなければならない」という常識を疑い、覆して成果を出しました。

ECスタジオにもこれに通じる理念・方針があります。 たとえば、カスタマーサポート部署には、子育て中の主婦がいますが、やはりどうしてもフルタイムで働くことはできません。

そこで、ECスタジオではどうしているかというと・・・。 カスタマーサポートについては、メールサポートに限定し、クラウドを利用した在宅勤務制度を整えたそうです。

「お客さんは不便なんじゃ・・?」という意見もあるかもしれませんが、実は、メールサポートに限定することで、顧客にもメリットはあるんです。

・メールの履歴が残っているため、迅速に対応できる。 ・コールセンターのように繋がらないことがなく、いつでも問合せることができる。 ・コールセンターを設ける必要がなく、コストが安く抑えられるため、提供価格が安くなる。

カスタマーサポートは社内において、電話で対応しなければならないという常識を疑い、覆したわけです。これにより、社員満足も高まり、顧客にも新たなメリットを提供できたというわけです。

社員をクビにしないと決める

もうひとつ、ECスタジオの方針を紹介しましょう。

ECスタジオの方針に、「まず、“しないこと”を決める」というものがあります。 会社として、こういうことを目指そうというクレド(行動信条)を決める会社は多いと思いますが、ECスタジオは、「するべきではないことは何か」という、会社として「しないこと」を明確にしているそうです。 目指すべき、経営理念・経営ビジョンはもちろんあるようですが、その他に、会社として「しないでいいこと」を、14か条にしているそうです。

そのうちのひとつが、「社員をクビにしない」というもの。 ECスタジオは、経営理念に共感し、経営ビジョンの実現に向かっている社員をクビにしないのだそうです。会社側としては、一旦雇ったら本人が辞めたいと言うまでクビにしないと言う覚悟で採用するため、安易な採用はしなくなります。

また、採用した社員が、求めていた人材にマッチしていなかったとしても、その社員にも何か強みがあるはずです。別の業務を任せてみたり、部署を異動させてみたり・・・。何か光り輝く才能が発揮できる場所を探します。もし、部署異動で解決できない場合は、その本人の最も優れている強みが発揮できる部署を新設してしまうそうです! ちなみに、1人だけのために新設してしまった部署が2つあるそうですが、それぞれ素晴らしい活躍を見せているそうです。

続きは・・・新刊ラジオでお聴き下さい 今日の新刊ラジオでは、ECスタジオのユニークな社内制度や、中小企業が大企業と渡り合うための戦略について紹介しています。

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日本でいちばん社員満足度が高い会社の非常識な働き方

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