だれかに話したくなる本の話

新刊ラジオ第1349回 「恋愛経済学」

“自称・恋愛下手”の勝間和代が、得意のシステム化能力を使って、経済学的に論理的に「恋愛のイロハ」を語ります。「恋愛とは何か」「結婚とは何か」「セックスとは何か」「夫婦とは何か」。恋愛下手な人ほど、目からウロコの“恋愛経済学”です。

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恋愛をまじめに考える

素敵な結婚をするためには、よい出会い、よいを恋愛しなければなりません。 しかし今の世の中、男は“だらしない草食男子”と言われ、女性は“高収入なイケメンを求めて男漁り”という見られ方もしています。 いわゆる“恋愛下手”な人が増えているのかもしれません。

「恋愛経済学」は“自称・恋愛下手”の勝間和代さんが、システム化能力を使って論理的に恋愛のしくみを解説した本です。 ちょっと変わった切り口ですが、面白いです。

● 著者について 勝間和代さん、有名人ですね。 1968年生まれ、マッキンゼー&カンパニー出身の公認会計士で、経済評論家。 2005年には、『ウォール・ストリート・ジャーナル』で、世界の最も注目すべき女性50人にも選出されていますし、著書は累計で340万部も売り上げています。

とても華々しい経歴の勝間さんですが、実は弱点があります!!

それは………恋愛!!

知っている方も多いと思いますが、実は、勝間さんはすでにバツ2でいらっしゃいます。 結婚、恋愛、は失敗、失敗の連続だったんです。

勝間さんと言えば、テレビやツイッターでもご覧の通り、とっても論理的な分析家ですが、本書では、「自分はなぜ恋愛が苦手なのか」ということについても、論理的に、勝間さんらしく、分析されています。

なぜ、勝間和代は恋愛がヘタ??

なぜ私は恋愛が苦手なのか? それは、人間の2大能力から読み解けます。 私たちの2大能力は、共感とシステム化と呼ぶことができます。 前者は、人の気持ちや自分の気持ちを上手に推し量り、感情を捉え、コミュニケーションに役立てる能力です。 後者は、物事の仕組みを大きく捉え、入力されたものがどのような構造で変換・転換され、出力に繋がるのかを理解する能力です。 (中略) この2つの能力を測定すると、私は極端にシステム化能力が高く、共感能力が低いのです。 小さい頃から、数学や物理のテストでは、そこに答えが書いてあるような気分でした。「インプット→システム化→アウトプット」という回路が公式のようにしっかりしているものだと、何の苦もなく解けるのですが、人の気持ちを推し量る能力は、とーんと、欠けているようなのです。 だから、公認会計士試験はすぐに受かっても、恋愛試験はいつまでたっても落第ばかりです。 (『恋愛経済学』 P1 L13 〜P2 L14より)

こんな勝間さんに、スタッフ間では、「・・・かわいい。」 と話題でしたが、 矢島さんは、「これはいい開き直り方だ(笑)」と感想をもらしていました。

一般に、女性は共感能力が高く、男性はシステム化能力が高いといいます。 つまり、多くの人の間では、女性の方が恋愛が得意なはずなのです。 しかし、勝間さんはシステム化能力が高く共感能力が低かったため、「自分は恋愛が苦手だ」と分析したわけです。

そこで勝間さんは、恋愛の理論を徹底してシステム化能力で読み解き、「恋愛とは何か」「セックスとは何か」「夫婦とは何か」を紐解いてきました。

その集大成が、本書「恋愛経済学」なのです。

失礼ながら……勝間さんと同じように、“自称、恋愛が苦手な人”であっても、理論的に書かれているので、恋愛のイロハが理解できます。理解できたら、あとは実践あるのみで、恋愛に不向きな人でも克服することができるということなんです!

常識的に考えて、高収入のイケメンはゲットできない

若くて、高収入で、イケメンをゲットしたい!! という人に対して、勝間さんが口をすっぱくしてアドバイスしていることがあるそうです。 それは、「イケメンもいいけど、イクメンのほうがいい」ということです。

勝間さんのアドバイスを本文より抜粋します。

白河桃子さんの『セレブ妻になれる人、なれない人』(プレジデント社)という本があります。本当にセレブ妻になりたい人は、絶対に読んだほうがいいと思います。

世の中で言われているほど、セレブ妻というのは楽ではないのです。 セレブ妻になった人は、夫の地位がまだ低いときから励まし、支えなければいけません。実際に夫が偉くなったあとは、内助の功を目一杯尽くさなくてはなりません。さもないと夫が浮気したり、あるいは家から追い出されたりと、大変なことになります。

私はこの本を読んで、これならセレブ妻なんかやめて、会社勤めをしたほうがよほど楽だと思いました。 セレブ妻を目指さないにしても、いま婚活をしない人がどんどん増えてきて、特に若い人が恋愛そのものをしていないということになると、やはり、それは生殖淘汰に負けてしまうことになるので、なんとかそこを頑張ってほしいと思います。

男性は、女性に対してクジャクの羽のように見せなくてはいけない「将来性」とか「経済力」が、どれもこれもデフレ不況で手に入らなくなってしまいました。 だから、今までのやり方しか知らないと、恋愛に夢を持てないのです。 逆に女性は、不況に関係なく、頑張れば「美」を手に入れられますが、男性がその期待に応えるだけの物をもっていないので、数が合わなくなってしまったのです。

昔はちゃんと男女比がマッチしていたのに、今はマッチしなくなった理由は、女性の求める年収600万円の男性が、結婚適齢期の男性の4%しかいなくなってしまったからです。 96%の男性が女性の要求水準を満たせていないわけです。

だから、女性の方が高望みすると一生結婚できません、と私は口を酸っぱくしていうのです。 私のおすすめの戦略は、「自分が稼いで、ほどほどの男で手を打て」という、とても現実的なものです。イケメンもいいけど、イクメンのほうがいいと。イクメンで浮気し無い人の方がもっといい、ということです。 もちろん、それもひとつの解です。そういうふうに生きようとしている「カツマー」のみなさんも、たくさんいらっしゃるでしょう。 (『恋愛経済学』 P49 L5 〜P51 L3より)

性別の格差とミスマッチが原因

男性が、女性をゲットするための武器(将来性や経済力)を、手に入れにくい世の中である一方、女性は美を追求するのには困らない環境のため、ミスマッチが起こるのです。 だから、女性は理想を追い求めていたら結婚はむずかしいと。 それならば、いっそのこと自分で稼いで、そこそこの男で手を打ってはどうかというアドバイスです。

男性の96%が稼げてない世の中で、女性が稼ぐのもなかなか難しいと思うのですが……。とはいえ、男性も負けていられませんね。

● まとめ

1章では、恋愛と経済学の深い関係を述べ、 2章では、恋愛と社会の仕組みを勝間さんの視点で語り、 3章では、恋愛と結婚について解説し、 4章では、セックスの経済学 5章で、「モテ」の経済学 6章で、幸せになるための恋愛経済学

…という構成になっています。 どの章でも、論理的で勝間さんらしい語り口で書かれています。 また、緊急対談「秋元康VS勝間和代」が掲載されていますので、気になった方はぜひ読んでみてください。

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“自称・恋愛下手”の勝間和代が、得意のシステム化能力を使って、経済学的に論理的に「恋愛のイロハ」を語ります。「恋愛とは何か」「結婚とは何か」「セックスとは何か」「夫婦とは何か」。恋愛下手な人ほど、目からウロコの“恋愛経済学”です。