だれかに話したくなる本の話

新刊ラジオ第1583回 「「耳読(ミミドク)」で、もっと読めるようになる!」

「本を“耳で”読めるようになれば、読書時間は3倍に増やすことができる!」聴覚を活用したインプット法であらゆる成果を手にしてきた著者が、オーディオブック等の音声コンテンツ活用法を伝授する一冊。忙しくて読書量が減っているあなた、もっとたくさんの読書をしたいあなたは、話題の“耳読”をはじめてみませんか?

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概要

こんにちは、新刊ラジオブックナビゲーターの矢島雅弘です。

今回は、日本最大のオーディオブック事業者として活躍されている上田渉さんが、“耳”(聴覚)を使った読書法を指南し、読書時間を3倍に増やすべくオーディオブックの活用法を綴った本をご紹介します。

本書は、2009年6月に刊行された『脳が良くなる耳勉強法〜聴覚マネジメントで人生が変わる』という本を改題・再編集したものです。

しかし、読んでみると、だいぶ印象が変わっていました。

ひと言でいうと、より簡単で分かりやすく一般的になりました。

たった3年前とはいえ、オーディオブック業界の事情や、人々の生活も大きく変わったので、その変化を踏まえた上で、新たなオーディオブック活用法を加筆してあり、また前著の難しい脳科学関連の記述は、より簡単な説明に書き直されています。

さっそく内容に触れていきたいと思います。

著者紹介 1980年生まれ。株式会社オトバンク代表取締役会長。2004年に株式会社オトバンクを創業。高校3年生の時には全国模試で偏差値が30でしたが、音声を活用した勉強法を駆使し、2浪のあと東京大学に合格。現在は、日本最大のオーディオブック事業者として活躍されています。

すき間時間を活用した読書法

■「耳で読めるようになれば、読書時間は3倍に増える!」

これが本書の主題となっています。

“耳で読む”というのは、オーディオブックなど、聴覚を利用した読書方法を活用するという事です。

では、なぜ、目で読むよりも耳で読むと、読書時間が増えるのでしょうか。

その理由の一つに、「すきま時間の活用」というものがあげられます。

本書で言う「すきま時間」とは、「一見何もできないように見えて、実は有効活用できる時間」のことです。

例としては、通勤時間やお風呂の時間ですね。

満員電車での通勤中や、車での移動時間、お風呂の時間などには、ある共通点があります。

それは、「目や身体はふさがっていますが、耳が空いている」ということです。

この時間を活用して、オーディオブックなど音声コンテンツを聴くことで、効率的な読書ができるのです。

僕の知っているところでは、フリーアナウンサーの梶原しげるさんは、お風呂の時間にPodCastなどの音声コンテンツを聞いて、ニュースを知ったり、番組の内容をご自身の仕事の参考にしたりしているそうです。

その中に、この新刊ラジオも含まれているという事をお聴きした時は、感動と恐縮で胸がいっぱいでした……。

また、今、この番組を聞いているリスナーさんの中にも、データ管理の作業中や、アニメーションの動画書きをしている最中に、新刊ラジオを聴いて「本の情報」を仕入れている人がいるんです。

こういう方は、「すきま時間」を活用して、耳から読書・勉強をする方法を知っているんですね。

さて、上田さんは本書の中で、ご自身のすきま時間を公開しています。

非常に忙しい方なので、日々の業務+この本の執筆時間+プライベートな時間全て併せて、朝6時から深夜1時半まで19時間半のスケジュールが書かれているのですが……なんと、そのうち3分の1近くが「すきま時間」なんだそうです。

時間にして8〜9時間くらいありました。

ただ、このすきま時間、人によって多少違いがあります。

例えば、上田さんの場合、仕事の資料作成の間を「すきま時間」としていますが、「それは無理」という人もいるでしょう。

このように、すきま時間となる時間は、人によって多少差異があるのですが、それでも、一般的な生活をしている人の多くは、自分でも気付かないうちに3〜4時間くらいのすきま時間を持っていると思います。

ここを「耳で読む」時間に変えると、今までより、ずっと効率的に読書・勉強ができるわけです。

オーディオブックでの読書においては、読書量をすぐに2〜3倍に増やす聞く方があります。

その一つが、倍速版の活用です。

読書量をすぐに2〜3倍に増やす聴き方

■「オーディオブックを倍速で聞く」

オーディオブックをそのまま聞いた場合、個人差がありますが“目で読むより遅い”という人もいると思います。

そういう人がオーディオブックに慣れてくると、「早いスピードの音声」を聞き取れるようになるため、アプリなどで速度を上げて聞くようになるのだそうです。

単純に2倍速で聞けば、読書量は2倍、3倍速で聞けば読書量は3倍となりますので、倍速再生モードがあるプレイヤーを使う人は、かなりできる人ですね。

気になる人はぜひチャレンジしてみて下さい。

■「オーディオブックの視聴に最適化されたプレイヤーを使用する」

今、プレイヤーの話をしましたが、最近はスマートフォンを利用してオーディオブックを聞く人が増えているそうです。

3年前に上田さんが本を執筆された際は、MP3プレイヤーでオーディオブックを聞いていたそうですが、最近はiPhoneを使って聞かれているそうです。

本の中でオススメされているiPhoneアプリに「Kikuplayer」というものがあるのですが、こちらはオトバンクが開発を行った、オーディオブックの視聴に最適化されたアプリです。

ワンタッチで倍速や、指定範囲を繰り返し聴いたりできますし、登録が済んでいればパソコンに繋がなくてもオーディオブックをダウンロードすることができるアプリです。 ベビーユーザーにとって、これはなかなか便利そうですね。

最後にまとめですが…… 本書のタイトルに書かれている「耳読」とは、オーディオブックを聞く事だけではなく、もっと色々な音声コンテンツを聞く事も「耳読」と呼ばれています。

まだまだ本を耳で読むという方法になれない人は、上田さんオススメのラジオ番組やポッドキャスト番組を参考にしてみて下さい。

おそらく、この新刊ラジオを聴いている人は、オーディオブックも難なく聞けると思います。

本書としては、これから耳読をはじめる人にとって入門書として最適でしょう。

また、すでに耳からのインプットを習慣としている人にとっても、著者が活用しているノウハウを学んだり、おすすめのラインナップを知る上でも価値のある一冊です。

「耳読(ミミドク)」で、もっと読めるようになる!

「耳読(ミミドク)」で、もっと読めるようになる!

「耳読(ミミドク)」で、もっと読めるようになる!

「本を“耳で”読めるようになれば、読書時間は3倍に増やすことができる!」聴覚を活用したインプット法であらゆる成果を手にしてきた著者が、オーディオブック等の音声コンテンツ活用法を伝授する一冊。忙しくて読書量が減っているあなた、もっとたくさんの読書をしたいあなたは、話題の“耳読”をはじめてみませんか?