だれかに話したくなる本の話

新刊ラジオ第1646回 「長生きしたけりゃ、腸は冷やすな―老い、がん予防に効く! 温める腸健康法」

夏の冷えに要注意!!
しかし、かき氷・アイスクリーム・生ビール、これらで腸が冷え続けることは無いんです。
腸の最大の敵は気温差!
冷房が効き過ぎた部屋、真冬に屋外で長時間作業をする……。
急な寒暖の差のほうが腸にとって深刻なんです!
外気と室温の差が10℃以上になると腸の不調者は約3倍になるんです。

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概要

こんにちは、ブックナビゲーターの矢島雅弘です。

今回は腸健康法に関する書籍のご紹介です。

著者の松生さんは今まで数多くの腸に関する書籍を執筆しておりますが、本書は4万人の診察実績から得た最新腸内健康法を掲載した腸科学書籍の集大成的な1冊となっております。

非常に広い視点で色々なジャンルで腸がもたらす身体へ影響をわかりやすく解説しています。

今回はその中から幾つかご紹介しましょう。

◆著者プロフィール 松生 恒夫さん 医学博士・松生クリニック院長です。 1955年東京都生まれ、1980年東京慈恵会医科大学卒業。 同大学第三病院内科助手、松島病院大腸肛門病センター診療部長を経て、2004年に松生クリニックを開業。 主な専門領域は大腸内視鏡審査で、30年間で4万人以上の腸を実際に診療してきた腸のエキスパート。 同クリニックでは便秘外来を設けており、地中海式食生活や漢方療法、ストレス対策としてのスローライフの提案などで多くの効果をあげており、テレビ・新聞など各種メディアでも活躍中の方です。

なぜ腸が「長生き」「健康」と繋がり、何が腸の不調を引き起こすのか?

それは、人間の免疫システムの約60%は腸に集まっていることに起因しています。

松生さん曰く「人は腸から老いる」

長寿で健康な方は皆、腸が元気なんだそうです。

そんな身体にとって重要な腸はどうして不調を起こしてしまうのでしょうか?

それは、ズバリ『冷え』なんだそうです。

特に今からの季節の気をつけるポイントは、かき氷や冷えたビールなどの冷たい飲食物で腸を冷やすというよりも、外気と室温の気温差によるものが大きいんだそうです。

ではどれぐらいの気温差が問題になるかと言いますとそれは「10℃」の気温差なんだそうです。

例えば今からの季節で例を上げますと、まずは「猛暑日」。

外気温が35℃を超えた日、外から帰って来て汗を引かす為、エアコンの設定を25℃にする。

またはエアコンの効いた部屋から外出する、という具合です。

さらに30℃以上の「真夏日」が続き、ほとんど秋を感じないまま冬に突入すると、朝晩の気温差が10℃以上、前日との気温差が10℃以上になることもあります。

そんな差が激しくなればなるほど内蔵まで冷えて、便秘や停滞腸といった腸の不調に陥りやすく、実際に気温差が10℃を超えると松生クリニックでは、便秘の患者さんが3倍にも増えるそうです。

これを松生さんは「気温差10℃の法則」と名付けています。

■腸の老化度チェック

まずは自分の腸がどのような状態かを把握する為の25項目ものチェック項目があります。

例えば、

1.便回数は週に1?2回である。

2.便が硬いと思う。

といった感じです。

そして該当した個数に合わせて診断結果をと照らし合わせます。

また、個数にかかわらず、今から言う項目に該当するかたは要注意とのことです。

・最近、便意を感じることが少なくなった。もしくは便意が弱くなった気がする。 

・朝食を食べても、便意を感じることがない。

・放っておくと、一週間以上便意がないこともある。

腸ケアは状態を正しく把握することが第一歩とのことですので、是非書籍で確かめてみてください。

腸が若返る地中海式和食

自分の腸の状態が把握できた所で、今度は腸の若返り法を紹介致します。

「地中海式和食」とは?

和食と地中海食、一見かけ離れた二つと思われますが、この二つには大きな共通点があります。

それは主食を中心に、多くの野菜と魚介類をたっぷり使用し、味噌汁・漬物、チーズやヨーグルトのような発酵食品を多くとり、肉類は最低限の摂取となっている点です。

また、地中海食の国は日本より脂肪摂取量がはるかに多いのに、大腸がんの発症が少ないという傾向があります。

それはなぜか?ズバリ「オリーブオイル」にその理由があるんだそうです。 オリーブオイル、特に「エクストラ・バージン・オリーブオイル」こそアンチエイジングの秘薬なんだそうです。

「エクストラ・バージン・オリーブオイル」には動脈硬化を起こす高血圧症を改善し、血液をサラサラに保つので心臓病予防になり、アンチエイジングに不可欠な抗酸化成分のポリフェノール・ビタミンE・葉緑素・オレイン酸と4つも入っています。

さらにカルシウムの吸収を助け骨粗鬆症予防にもきき、胃がんの原因となるピロリ菌を抑制させ、糖質をコントロールして糖尿病予防になるなど、その働きには枚挙にいとまがありません。

そしてなにより「エクストラ・バージン・オリーブオイル」は小腸で吸収されにくく、残ったオイルは食べ物の残りかすと一緒になり、腸内のすべりがよくなり、便秘改善効果が見込めるのです。

つまり、伝統的な和食とオリーブオイルを中心とした地中海食をドッキングさせた、最高のアンチエイジングフード、それが「地中海式和食」なんです。

本書にはいくつもの地中海式和食のレシピも掲載されています。

その中でコレからの季節にピッタリな一品を紹介しましょう。

【トマトそうめん】

・二人分の材料

そうめん 3?4束 トマト 中二個 大葉 6枚 オリーブオイル 大さじ3 濃縮タイプ麺つゆ 大さじ3

・作り方

1.大場は細かく刻んでおく。トマトは小さめの一口大に切る。 2.ボウルにオリーブオイル、トマト、麺つゆ、大葉を入れてよく混ぜ合わせておく。 3.そうめんをゆで、ゆであがったらザルにあげ、流水の中でよくもみ洗いをする。冷やしてよく水気を切ってから器に盛り、2をかける。

非常に簡単ですね(笑)。

■まとめ

ここまで本書の一部を紹介させて頂きましたが、全体を読んで感じたのは、「腸」って、『なんだ「また」便秘か』みないに「また」で済ませてしまいがちではないでしょうか?

一般的には脳や心臓ほど重要視されていないイメージがありますが、その腸が身体全体を監督していると言っても差し支えないほど重要な器官ということが分かりました。

本書は医療・食事・衣服・習慣はたまた音楽の視点から腸を科学し、今まで良いとされていた常識の罠も覆しています。

今回紹介できたのはほんの一部ですので皆さんにもぜひ手にとって頂きたい1冊です。

長生きしたけりゃ、腸は冷やすな―老い、がん予防に効く! 温める腸健康法

長生きしたけりゃ、腸は冷やすな―老い、がん予防に効く!  温める腸健康法

長生きしたけりゃ、腸は冷やすな―老い、がん予防に効く! 温める腸健康法

夏の冷えに要注意!!
しかし、かき氷・アイスクリーム・生ビール、これらで腸が冷え続けることは無いんです。
腸の最大の敵は気温差!
冷房が効き過ぎた部屋、真冬に屋外で長時間作業をする……。
急な寒暖の差のほうが腸にとって深刻なんです!
外気と室温の差が10℃以上になると腸の不調者は約3倍になるんです。