だれかに話したくなる本の話

新刊ラジオ第1707回 「天地雷動 (単行本)」

「信玄死す――」。
その噂が戦国の世を大きく揺さぶった。中でも一番影響を受けたのは、息子である勝頼だった。巨大な存在である父の影に付きまとわれ、家中不一致となりながらも、勝頼は信玄の遺志を継ぎ、天下掌握を目指す。
かつてない臨場感と、震えるほどの興奮!
戦国の世を駆け抜けた男たちの熱きドラマを描く、問答無用の本格合戦小説がここに誕生!

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概要

こんにちは、ブックナビゲーターの矢島雅弘です。

今回ご紹介するのは歴史小説。戦国の世、長篠の戦いの前後を描いた長編です。

早速内容を見ていきましょう。

物語の始まりは武田信玄の死から始まります。

父の死を看取っていた息子の勝頼は、肉親を失った悲しみを抱くこともなく、むしろ、全ての重荷を背負わされることに憎しみを感じていました。

それでも父の意思を継ぎ、天下を取ろうと決意するのですが、信玄に忠誠を誓っている家臣たちは勝頼を主君と認めません。

攻め寄せる隣国、家中不一致。苦しい状況の中、勝頼は信長の追い落としを図ります。

一方、武田とにらみ合っている状態の織田家では、羽柴秀吉が奔走していました。

信長の命により、武田家打倒のため新式鉄砲を三千張調達せよという無理難題を突きつけられてしまった秀吉。

しかし、できなければ出頭の道から転げ落ちてしまうことを知っていた秀吉は、鉄砲の鋳造、手配のため堺へ。

そして、織田家と同盟関係にある徳川家康は、信玄の死の一報を受けたにも関わらず、たたらを踏んでいました。

領国を守れれば十分と考えている家康は、攻め来る武田家、信長の圧力に怯えながらも、ひたすらに耐え忍びます。

それぞれの野望が交錯する中、勝利を手にするのは誰なのか。

今回も物語の一部をドラマにしてお送りいたします。

シーンは、長篠の戦い直前の各陣営。

勝頼、秀吉、家康は、間近に迫った合戦を前に確固たる覚悟を持って挑みます。

それでは、本編の音声をどうぞ。

◆著者プロフィール 伊藤さんは1960年、神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学卒業。 外資系企業に長らく勤務後、文筆業に転じて、歴史小説や歴史に材を取った作品を発表しています。 2012年『国を蹴った男』(講談社)で吉川英治文学新人賞、2013年『巨鯨の海』(光文社)で山田風太郎賞を受賞するなど、数々の文学賞を受賞。 『城を噛ませた男』(光文社)、『国を蹴った男』、『巨鯨の海』、『王になろうとした男』(文藝春秋)で4度の直木賞候補となりました。 その他、主な著作としてKADOKAWAより『山河果てるとも 天正伊賀悲雲録』『武田家滅亡』『北天蒼星 上杉三郎景虎血戦録』。講談社より『戦国鬼譚 惨』『峠越え』があります。

天地雷動 (単行本)

天地雷動 (単行本)

天地雷動 (単行本)

「信玄死す――」。
その噂が戦国の世を大きく揺さぶった。中でも一番影響を受けたのは、息子である勝頼だった。巨大な存在である父の影に付きまとわれ、家中不一致となりながらも、勝頼は信玄の遺志を継ぎ、天下掌握を目指す。
かつてない臨場感と、震えるほどの興奮!
戦国の世を駆け抜けた男たちの熱きドラマを描く、問答無用の本格合戦小説がここに誕生!