だれかに話したくなる本の話

新刊ラジオ第1713回 「八月の六日間」

――わたしの部品かな?
40歳を目前に、仕事に疲れた「わたし」は山の魅力に引き込まれる。
山での数奇なめぐり合いを通じて、少しずつ欠け落ちた心の部品を集めていく「わたし」。一人で歩くことが好きな彼女は「自分」を取り戻していくうちに、様々なものに支えられ励まされていることに気付いていく。

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概要

こんにちは、ブックナビゲーターの矢島雅弘です。

みなさん、登山はしますか?

突然なんだ、と思われるかもしれませんが、今回ご紹介する小説の主人公が、山に魅入られた女性のお話なんです。

早速内容を見て行きましょう。

本作の主人公は文芸雑誌の副編集長をしている「わたし」。

曲がったことには否という性格で、若いころは、上司相手にもかみついていた彼女は、40歳目前、肩書も副編集長ということで、すっかり上と下の調整役に落ち着いてしまいました。

上下の板挟みで心を擦り減らすこともしばしば、一緒に住んでいた男とも3年前に別れてしまい、今は一人。

そんな人生不調気味な「わたし」ですが、ある時、同僚からの誘いで山歩きをすることになりました。

そこで彼女は山の魅力の虜となります。

自分の心を開いてくれる山。

四季折々で変わる美しさや様々な人との一期一会に癒され、少しずつ、彼女は自分を取り戻していきます。

今回、物語の一部をドラマにしましたので、どうぞ本編をお聴きください。

◆著者プロフィール 北村さんは、1949年生まれ埼玉県出身。早稲田大学卒業。 高校教師として教えるかたわら、89年『空飛ぶ馬』でデビューしました。 91年『夜の蝉』で第44回日本推理作家協会賞、2006年『ニッポン硬貨の謎』で第6回本格ミステリ大賞、09年『鷺と雪』で第141回直木賞を受賞しています。

八月の六日間

八月の六日間

八月の六日間

――わたしの部品かな?
40歳を目前に、仕事に疲れた「わたし」は山の魅力に引き込まれる。
山での数奇なめぐり合いを通じて、少しずつ欠け落ちた心の部品を集めていく「わたし」。一人で歩くことが好きな彼女は「自分」を取り戻していくうちに、様々なものに支えられ励まされていることに気付いていく。