だれかに話したくなる本の話

新刊ラジオ第1735回 「グラスホッパー (角川文庫)」

復讐のために裏組織の社員になった元教師の鈴木は、その相手が目の前で車に轢かれる瞬間を目撃する。しかしそれは事故ではなく「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業だった。鈴木が「押し屋」の正体を探るべく動き出す一方、自殺専門の殺し屋・鯨と、ナイフ使いの殺し屋・蝉もそれぞれの思惑から「押し屋」を追い始める。

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概要

こんにちは、ブックナビゲーターの矢島雅弘です。

刊行当時、伊坂さん本人が、「喜劇なのか悲劇なのか、オフビートなのかサスペンスなのか、ハードボイルドやアクション小説とも、ミステリーとも普通小説とも言いづらい、不思議な小説」、とコメントしている通り、どのジャンルに分類すればいいかわからない作品ですが、高い筆力で疾走感あるストーリーになっています。

物語は3人の主人公の視点で描かれていきます。

1人目は、27歳の元中学校教師・鈴木。

2人目は、自殺専門の殺し屋「鯨」。

3人目は、ナイフを巧みに扱う殺し屋「蝉」。

それぞれの事情を抱えたまったく無関係だった3人は、ある出来事をきっかけに、1人の男を追うことになるのですが……。

ここからは、本編のドラマをお聴きください。

◆著者プロフィール 伊坂幸太郎さんは、2000年『オーデュボンの祈り』で第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。 『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞。連作長編「死神の精度」で第57回日本推理作家協会賞を受賞。 また本屋大賞において唯一第1回から第4回まですべてにノミネートされ、2008年の第5回に『ゴールデンスランバー』で同賞と、第21回山本周五郎賞をW受賞しています。 本作「グラスホッパー」も、2015年秋公開の映画化が決まり、再び話題になっています。

グラスホッパー (角川文庫)