だれかに話したくなる本の話

新刊ラジオ第1824回 「きのうの影踏み」

とある団地の裏山にある神社。そこにはある噂があった。
ミサキとマヤは、「どうしてなっちゃんが消えてしまったのか」について、団地にあるプレハブ内で話し合っていた。なぜ「なっちゃん」は消えたのか、誰が消したのか、もしかしてそれはあの噂と関係があるんじゃないか――。
辻村深月が“怖くて好きなものを全部入れて書いた”という珠玉のホラー短編!!(提供・KADOKAWA)

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辻村深月による傑作怪談集!

こんにちは、ブックナビゲーターの矢島雅弘です。

今回、短編集をご紹介するのですが、内容は今の季節にぴったりのホラーテイスト。

本作には13もの短編が載っており、背筋が寒くなるような怪談的なものや著者の夢をそのまま描いたような奇妙な話など、様々な物語が展開されていきます。

さて、今回は短編の中から『十円参り』という作品をピックアップしまして、ラジオドラマを制作しました。

こちらは後ほど聴いていただくとして、まず、あらすじをお話しましょう。

とある団地に住むミサキとマヤという小学五年生の女の子。

この二人は団地にあるプレハブ小屋である問題について相談していました。

その問題とは、二人と同じ団地に住む仲良しの女の子「なっちゃん」がどうして消えてしまったのか、ということ。

そして、二人には「なっちゃん」が消えた理由について、ひとつ心当たりがありました。

団地の裏山にある神社の噂。その神社の賽銭箱に嫌いな人、「消したい」人の名前を書いた紙を、十円玉と一緒に十日間続けて投げ込むと、本当に消してもらえるというものでした。

内容自体は伝説の域を出ない話ですが、二人にとっては、それ以外理由が思いつかなかったのです。

なのでお互いに、「なっちゃん」を消しそうなクラスメートに目星をつけようと話し合いをしていきますが……。

ここからは本編のドラマをどうぞお聴きください。

■出演(敬称略) 野水伊織 山名枝里子

◆著者プロフィール 辻村深月さん、山梨県出身。 2004年に「冷たい校舎の時は止まる」で第31回メフィスト賞を受賞してデビュー。 2011年、『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞受賞。 2012年、『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞受賞。 そして2015年には『ハケンアニメ!』が本屋大賞の第3位に選ばれました。

きのうの影踏み