■ 「人の役に立つには自分が立派になるしかない」
― 「メールは60秒以内に返せ」など、ここまでドラスティックなことが書かれているビジネス書はなかなかないので、読んでいて刺激的でした。本書を執筆する際に気を付けたことはなんですか?
「僕は、言うことややることが極端なんですよ。それが反映されているのだと思います。極端に正々堂々と生きている人が成功できると思っているから、普段はできる限り極端なことを言うようにしています。
ただ、この本に限ってはその極端さを少し薄めて書きました」
― どうして薄めようと思ったのですか?
「極端なこと言ってもなかなか受け入れてもらえないから(苦笑)でも、いくら意識してもまだ極端なんですよね」
― 逆にそれが強烈な個性になっていると思いましたが…。
「これからは個性を生かしていける人間でないと成功できないですから。それに特化した話をしているだけなんですけどね」
― 本書ではチャンスのつかみ方について書かれていらっしゃいますが、逆にチャンスをつかめない人に共通する特徴はなんですか?
「何でも考えてしまう人ですね」
― 例えばどんな場面を想定していらっしゃいますか?
「人から『これをしたらどうですか?』 と言われて考えてしまう人です。言われて何でもすぐやってみる人は成功しますよ。特に自分が師と決めた人の言うことを絶対に疑わず、忠実に実行する人は成功しますね」
― 確かに「それはやる意味があるのだろうか」と考えてから行動することが多いと思います。
「だから成功できないんですよ。師から言われたことは考えずに実行する。そういう人は成功します」
― 平さんの師はどんな方なのでしょうか。
「僕の師はアメリカに住んでいて、僕よりも年下です。14歳のときから働いているんだけれど、薬草を作って村人の病気や怪我を治すような仙人みたいな暮らしをしています。ただ、彼は仙人のような生活をビジネスとして捉えています」
― 『チャンスは1分おきにやってくる』を読ませていただいて、気になった項目の一つに「コピペをしていたら、100年経ってもチャンスは手に入らない」というものがあったのですが、コピペと真似の違いはなんですか?
「コピペと真似の違いは、その人の中に軸があるかどうかというところで分かれますね。軸がある人は、自分なりにアレンジを加えるのでコピペじゃなくて真似になるんです」
― なるほど。平さんはどんな軸をお持ちですか?
「僕の軸は『人の役に立ちたい』という欲ですね。それ以外はないです。自分がどうしたら人の役に立てるかというと、自分が成功する以外にないんですよ。成功した自分の姿を見せることしか僕にはできません。
自分が稼いで周囲の人たちを助けてあげたり、雇用を生み出すことももちろんですが、それらは結局自分が立派になってできることですから」
― 本書のタイトルである「チャンスは1分おきにやってくる」の意味は、いわゆる仕事一つひとつがチャンスだということだと思います。これはとてもしっくりきまして、どんなに細かくて地味な仕事でもそれがチャンスの一欠片だったりするんですよね。
「その通りですね。僕は建築会社に就職して20年間、現場監督をしていたのですが、細かい仕事ばかりでした。
例えば建築家の安藤忠雄は、設計図を描く際に○か×かしか書かないんです。それを所員が解釈して施工会社に投げて、施工会社が完全な図面をつくります。だからたくさんの設計ができるのですが、僕はその末端にいて、とにかく細かい作業をしていました。そのときから細かい仕事ができる人が一番だと思っていましたね」
― 細かい仕事はミスができないから大変じゃないですか?
「人間なのでミスは完ぺきにします。でも、ミスをしても平気ですよ。責任を取るのは自分ではなく会社ですから。もし僕に『責任を取れ』と言ってきたら、すぐに辞めていましたね(笑)。だけど、僕以上に仕事ができる人がいなかったので、クビにすることができないんですよ。僕がいないと会社が成り立たないような状況にもなっていました」
― そういったスキルはどこでも通用しますよね。
「細かいことを正確に素早くできる人は成功しますね。逆に大雑把な人は難しいですよ。この本で対談させていただいたアニキ(丸尾孝俊氏)はすごく細かい方でした。バスツアーできた40人くらいのお客様も一人ひとりちゃんと目配りしている。すごいですよ」
■ 実は超大物マンガ家のアシスタントだった!?
― 本書の中にときおりマンガ作品に関する記述が見られます。平さんはマンガをよく読まれるんですか?
「実は昔、マンガ家だったんですよ。ビッグ錠先生のもとでアシスタントをしていて、『包丁人味平』などにも関わっています。ただ、やっていく中で、周りの人があまりにも絵が上手すぎて実力的に無理だと思って(笑)マンガ家への道は諦めていました」
― そうだったんですか! では、マンガから学んだことはありますか?
「いっぱいあります。一番学んだのは『あしたのジョー』で、真っ白な灰になって燃え尽きるまで働くということは今でも心がけています」
― また、巻末では先ほどもお話が出ましたがバリ島の対富豪であるアニキとの対談が掲載されていますが、アニキの魅力についてお聞かせください。
「アニキは昭和のにおいがしますね。気質的にもビジネスのやり方もそうです。ビジネスの成功の仕方をよく分かっていて、それをちゃんと実践しています。そこは僕自身と重なる部分がありました」
― 平さん自身も昔の気質を持たれていらっしゃいますよね。
「そうですね。住んでいたところもずっと長屋で、まさに『あしたのジョー』の世界で生きてきましたから(笑)」
― 平さんはアニキを含めてたくさんの成功者たちにお会いしてきたかと思いますが、成功する人たちの共通点はなんだと思いますか?
「これは根源的な部分になりますけど、モテたいという欲は成功者、みんな必ず持っています。成功者は若い女性が好きな人が多いんですよ(笑)肉体を鍛えている成功者もいますけど、モテたいと思わないとそんなことはしないでしょう」
― (笑)若い女性にモテたいというのは、平さんらしくとても極端ですけれど、すごく大事なことだと思います。
「僕はそれを隠しませんが、上場企業の経営者は社会的責任があるので隠したがりますね。でも、結局みんな一緒ですよ(笑)。この本を読めば、成功者ってこんなことを思っているのかということが分かります」
― では、『チャンスは1分おきにやってくる』をどんな方に読んで欲しいですか?
「まさしく成功したいと思っている人、野心のある人ですね。モテたい、稼ぎたい、自由に生きたい…」
― よくフリーランスになって自由に働こうという話を耳にします。ただ、仕事をしたくないからフリーになると考える人も中にはいて、それは違うなと思ってしまうんですね。
「そうですね。フリーランス=自由というのは勘違いで、実はサラリーマンのときが一番自由です。実力を付けてその人がいなければ会社がまわらないというような立場になれば、完全に自由になれますよ」
― 本書で平さんがおっしゃっていることは、まさにフリーランスで成功するために重要なことでもありますよね。
「そうでしょうね。フリーランスでもサラリーマンでも、仕事ができる人はとにかく何でも早いです。メールの返信もそうですよ。僕は少しでもメールの返信が遅いと、直で電話しちゃいますから(笑)」
― では、最後にインタビューの読者の皆さんにメッセージをお願いします。
「チャンスは皆さんに平等にやってきますが、それはオブラートに包まれているので、なかなか見つからないと思います。だから、まずはそれを見つけるためにとにかく仕事をしてください。また、成功するためには師を持つことが大事なのですが、その師がこの本になってくれれば嬉しいです」
