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書評
内田康夫がおくる浅見光彦シリーズ105事件目となる最新作は、文豪・泉鏡花ゆかりの地を巡るべく北陸・金沢を訪れた老人の不可解な死によって幕を開ける。
警察は老人が殺害されるまでの足取りを追うが、はっきりとしたことはわからない。
しかし、独自に調査をおこなっていた浅見は、ふとしたことから老人が金沢近郊の町・内灘までやってきていたことを知る。
「内灘」という町を読者はご存知だろうか?
実は鳥取砂丘などに続いて日本で三番目に広いと云われる内灘砂丘を有しているものの、わざわざ遠くから足を運ぶほどの観光地とは言い難い、金沢市近郊のベッドタウンだ。そんなありふれた町を老人が訪れた理由とは……?
毎回、旅情溢れるミステリーでおなじみの浅見光彦シリーズだが、今回は少々趣が違う。
物語全体を覆っている雰囲気はむしろ重苦しさに満ちている。それは日本海に面したこの土地に秘められた過去の出来事が、不穏なイメージを想起させるからだろうか。
「細かく積み重なった謎に浅見光彦が挑む」というお馴染みのストーリー展開ではあるが、それでも読者は思わず謎に引き込まれ、飽きることがないのは、まさに著者の技量という他ない。
(新刊JP編集部)
プロフィール
内田康夫(うちだやすお) … 本名同じ。作家。
1934年11月15日 東京都北区生まれ。
1980年 コピーライター、テレビCM制作会社経営を経て『死者の木霊』でデビュー。
1982年より作家業に専念。
1983年 軽井沢に居をかまえる。
1993年 浅見光彦倶楽部を設立(2009年3月までの入会者総数は2万人を超える)。
1994年 7月、ファンの集いの場「浅見光彦倶楽部クラブハウス」が軽井沢に完成。
1999年 10月、沖縄県を舞台にした『ユタが愛した探偵』で全国制覇を達成。
2006年 4月、『棄霊島』で浅見光彦100事件を達成。
2007年 1月、著作累計部数1億冊突破。
3月、宿泊施設「浅見光彦の家」が軽井沢に完成。
2008年 「第11回 日本ミステリー文学賞」受賞。
2009年 3月現在、最新作『砂冥宮』(実業之日本社)で、著作数は151冊。
浅見光彦が登場する作品は105事件。
内田康夫公認浅見光彦倶楽部公式サイト「浅見光彦の家」
http://www.asami-mitsuhiko.co.jp/


