~直感のワナを味方に変える行動経
済学7つのフレームワーク
著者名:柏木 吉基
出版社:技術評論社
価格:1,554円
ISBN-10:477413872X
ISBN-13:978-4774138725
◆例えばこんなこと、ありませんか…?
(A)今すぐに10000円もらう
(B)1年後に12000円もらう
さて、あなたならどちらを選びますか?
私なら(A)を選びます。なぜなら、1年後のことなんて分からないし、今すぐにお金が欲しいから。貯金してもいいわけだし…。
こういう風に、私のように考える人は多いと思います。
では、次に問題を変えましょう。あなたはどちらの方が得だと思いますか?
こうして質問をされてみると気づくと思いますが、(B)は(A)の20%増しの額がもらえます。10000円を銀行に預けたと
しても、20%の利息がつく預貯金はありません。なので、経済的には(B)がお得です。
つまり、(A)を選んでしまった私は「非合理」な選択をしたということになるわけですが、こういう風に、人は目先の感情や思い込みなどによって非合理な選択をしてしまうことが多々あります。
他にも、こんな事例があります。
「アンケートの結果、4人に3人が選ばなかった」というと、なんとなくネガティヴな印象を受けませんか? では「アンケートの結果、4人に1人は選んだ」ではどうでしょう。ポジティヴな印象を受けると思います。
このように、正確な数字よりも語感のイメージでその対象がポジティヴかネガティヴか判断してしまい、時には非合理な選択をしてしまう原因となってしまうことも多いのではないでしょうか。
◆使える実例&テクニック満載の「行動経済学」の本、ついに登場!
「エーッ!あの人、なんでこういう意思決定をしたの!?」
「どうしてあの上司はあんな非合理なやり方しかできないんだよ!」
なんてシーンに巡り合うことは多々あると思いますが、こうしたシーンが起こる背景にあるのが、人間の「感情」やそれにかかっている「バイアス」です。
私たちは働いているなかで、よく「合理的に仕事をすすめなさい」とか「合理的に考えて判断しなさい」ということを言われます。合理化することによって無駄が省かれ、生産性が増し、効率的に作業ができるようになるからなのですが、ついつい我々は非合理な選択をしてしまうことが多いでしょう。
そうした人間の心理的メカニズムを下地にしながら、経済学の理論と重ね合わせた上で構築されているのが“行動経済学”です。最近では『予想どおりに非合理』『経済は感情で動く』などといった本のヒットもあり、既に興味を持っている人も多いのではないでしょうか。
この『人は勘定より感情で決める』はそうした行動経済学の理論を下地に、職場で起こる「あ、あるある!」といった非合理な選択を行ってしまう実例をいくつも提示し、そうした罠に引っかからないテクニックを教えてくれる一冊です。
・数字に強くなりたい人
・上辺の論理に騙されたくない人
・しっかりとした判断ができるようになりたい人
・今いる位置から一歩引いて自分を見つめなおしたい人
には特にお勧めです。読んだその日から使えるテクニックが満載ですので、お試しあれ。
(新刊JP編集部/金井元貴)
■第1章 なぜ、売上アップにつながらない販促が正当化されるのか
~数字を読み取るときの落とし穴
▼コラム 平均回帰の仕組みをより深く理解する
■第2章 S字の魔力がイエスマンを作り出す
~損得の大きさと確率を判断するときの落とし穴
▼コラム 年功序列は本当に終わったのか?
■第3章 ネガティブをポジティブに変える法則
~捉え方がもたらす落とし穴
▼コラム 定額給付金はどのアカウントに入る?
■第4章 愛着はムダ仕事の素?
~過去と今への執着がもたらす落とし穴
▼コラム 教育もサンクコスト?
■第5章 若者は3年で辞めません
~記憶がもたらす落とし穴
▼コラム 事実と実感、ホントのところ
■第6章 残業と先延ばしの経済学
~未来の軽さがもたらす落とし穴
▼コラム あなたの割引率はどれぐらい?
■第7章 「見た目が9割」で思考停止しないために
~不適切な情報と知覚がもたらす落とし穴
▼コラム あの人の評価は本当に的を射ているのか?
■点から線へ、線から面へ ~フレームワーク体系図について