- 定価:
- 1,600円+税
- 著者:
- 五島一輝
- ISBN-10:
- 4863671865
- ISBN-13:
- 978-4863671867
業績がなかなか上がらない会社に見られる4つのパターン
業務の効率化はどの企業においても常に課題です。 特に近年はパソコンをはじめとしたIT機器の普及に伴い、劇的に仕事の仕方が変化しました。さらに、スマホやタブレットなどのスマートデバイスが登場し、クラウドやSNSが普及するなど、仕事を進める上でIT技術をどう使うか、その成否の影響は、日増しに大きくなるばかりです。
こうした技術は今、“ICT”と呼ばれています。その意味は「情報通信技術」で、ITの間に挟まれた“C”は「コミュニケーション」を指します。
ところが、このICTをうまく活用できている中小企業はそれほど多くないと指摘する人がいます。『業績をあげるとっておきのICT活用術』(セルバ出版/刊)の著者であり、ITコンサルタントの五島一輝さんです。
ICTを活用して業務の効率を高め、どんどん最先端の情報を取り入れ、ビジネスを加速させる。そう思ってICTを導入をしてもなかなか成果が出てこない。そのように感じている経営者は多いのだそう。
では、どうしてICTを導入しても業績が伸びないのでしょうか? 本書によれば業務の効率化という観点だけでも、以下のような問題を抱えているケースが数多く見受けられるといいます。しかも、問題としてしっかり認識できていればまだましで、気付いていないこともしばしばあるそうです。
■「EXCEL」シートの管理ができていない
表計算ソフトの「EXCEL」を使っていない中小企業はほとんどないでしょう。 確かにとても便利なソフトなのですが、著者によれば、大企業では「内部統制」の観点から利用が制限されているのだとか。
例えば「履歴管理が苦手」「ファイルをコピーして容易に派生版を残せてしまう」といったデメリットがあったり、ファイル名の付け方が統一されていなかったりすると、そもそもどのファイルが最新なのか分からず時間をロスしてしまったりすることもあります。
ただ、これらは工夫することで対処できてしまうので、どうしてもそのまま使ってしまいます。しかし、その力技が、効率や品質の悪化につながることがあるということは知っておいた方がいいでしょう。
■販売管理システムを入れても会社の実態と合っていない
販売管理のシステムを入れている企業は多いはず。 ところが、著者はこの部分にもメスをいれます。中小企業の販売管理業務は企業による違いが多い分野であるため、パッケージソフトでは業務の実態に合わないところが出てくるというのです。
これらのソフトも「EXCEL」と同じように、使い方の工夫でなんとかカバーされているケースが多く、効率化や品質向上を妨げる壁の一つとなります。
■組織的とは言えない体制や仕組みで業務を行っている
中小企業の長所であり、そして短所ともいえるところが、業務の仕方や分担が曖昧で、担当者の裁量によって業務が処理されていることが常態化していることです。
これは柔軟に対応できる反面、特定の担当者に業務が属人化してしまい、担当者がいなくなった途端に業務の進捗が止まるというマイナスポイントがあります。
また、優秀な人ほど、ICTの導入が自分のメリットを見出せないと感じたら、ICTの活用に消極的になることが多くあります。 個々の工夫は歓迎すべきことなのですが、組織としてルール化しておかないと問題になることもあるので、しっかりとした組織のルールを作ることが大事です。
■「慣れ」によって無駄な業務が定着してしまう
定例ミーティングで提出する資料、本当にちゃんと読まれているのでしょうか? もちろん、最初の頃は明確な目的があって作られていた資料。でも、時間が経つにつれて必要なくなっていくこともあるはずです。
ところが、「慣れ」が充満してくると、それが不必要であるにも関わらず放置されてしまうことがあります。定期的に無駄な業務がないか洗う時間を設けることが、効率向上につながるのです。
これらの点を踏まえて、どのようにICTを使って効率化していけばいいのでしょうか。
本書ではこの他に、「必要とする情報のスピードや有用性」、「顧客満足度や商機」、「コスト」などの観点からも、勘違いしてしまう問題や気付きにくい問題を分かり易く解説しており、業績向上のためのICT活用アイデアが豊富に載っています。
『業績をあげるとっておきのICT活用術』は中小企業向けにICTの活用方法が紹介されている一冊。ICTを導入する目的は業績の向上です。 そのために、今のシステムを見直してみるのもいいのかもしれませんよ。
(新刊JP編集部)
- 第1章:
業績向上の足を引っ張るBADチョイス -
- BADチョイスを知れば、今やるべきことが分かり、未来の選択も誤らない
- 業務の効率や品質が改善しないBADチョイス
- 欲しい情報が手に入らないBADチョイス
- 顧客の要望に応えられない、商機を逸するBADチョイス
- 無駄な出費となってしまうBADチョイス
- 第2章:
自社の磨くところをチョイスしょう -
- 自社の長所を見つける、伸ばすところを定める
- 意外に気付いていない自社のいいところ見つける
- 経営者自身の直観や嗅覚を信じる
- 第3章:
業績向上に繋がるICT活用アイデア -
- ICTを活用して自社の強みを磨きあげよう
- 顧客サービス・顧客満足度で業績向上を目指すためのICT活用アイデア
- スピードで業績向上を目指すためのICT活用アイデア
- 業務の品質・効率アップで業績向上を目指すためのICT活用アイデア
- 取引先との連携で業績向上を目指すためのICT活用アイデア
- 第4章:
業績向上のアイデアを実現できる仕組みとは -
- 自在に改変可能なICTの仕組みがあれば、経営者の想いをICTで形にできる
- 仕組みに求めることを間違えるとどうなるのか
- 仕組みに求める2つの重要キーワード「継続的改善」と「自発的変身」
- 「継続的改善」がもたらすメリット
- 「自発的変身」がもたらすメリット
- 「継続的改善」が可能な仕組みを手に入れる方法
- 第5章:
業績向上を実現するための調達先・調達方法とは -
- 「継続的改善」や「自発的変身」の要否により調達の仕方を使い分ける
- 「継続的改善」も「自発的変身」も不要な場合の調達の最適解
- 「継続的改善」や「自発的変身」が大切な場合の調達の最適解
- 調達の依頼先と良好な関係を気付くための最適解
五島一輝
1959年生まれ。東京都出身。東洋大学文学部英米文学科を4年で中退。生産性本部認定経営コンサルタント、ITコーディネーター、システム監査技術者。数多くの情報システムの構築やICTの導入にコンサルタント、PM、SEとして従事。販売管理、生産管理、物流、在庫管理、財務・管理会計、人事などの基幹系に加え、ECサイト、会員サービスサイトなど、インターネット系やモバイル系まで多岐にわたるシステムに携わり、中堅・中小企業が必要とするICTの大半に精通。2000年に(株)アイティープランナーズを設立し、代表取締役兼ICTコンサルタント
- 定価:
- 1,600円+税
- 著者:
- 五島一輝
- ISBN-10:
- 4863671865
- ISBN-13:
- 978-4863671867