子どもにはありのままの姿で、健やかに育ってほしいというのが、親の願い。
しかし、これは簡単ではありません。
ありのままの姿でいるには、「自分は自分でいいんだ」という自己肯定感が必要です。幼少時に自分の存在をまるごと受け入れられた経験がないと、なかなかこの感覚を持つことができず、他人と自分を比べて落ち込んだりしてしまいがちになります。
本書は、この「自己肯定感」を子どもの心に育むのに一役買ってくれる絵本です。
お母さんのお腹のなかに赤ちゃんがいることがわかって、「ぼく、おにいちゃんになるんだ!」と、だいちゃんは大喜び。赤ちゃんが生まれてくる日をたのしみにしています。
やっとその日がやってきて元気な女の子の赤ちゃんが誕生。お母さんと赤ちゃんをつなぐへその緒を切る役は、だいちゃんです。
「あかり」と名づけられた赤ちゃんが、だいちゃんは誇らしくてたまりません。でも…
生まれてきたばかりの赤ちゃんがかわいいからか、みんなあかりちゃんばかり注目して、だいちゃんが本を読んでみても、お手伝いをがんばっても、誰も見てくれません。
「もういもうとなんていらないよぉ~~」
あかりちゃんが憎らしくなってきただいちゃんは、あかりちゃんのほっぺをぎゅっとつねってしまいます。
びっくりして泣き出したあかりちゃん。つられてだいちゃんも泣いてしまいます。
それを見ていたのがお母さんです。
みんな自分よりあかりちゃんが好きなのかもしれない、と愛されている自信をなくしかけているだいちゃんを、おかあさんは自分のシャツのお腹に入れてあげ、「だいちゃんもあかりちゃんみたいに おかあさんのおなかにいたのよ。だいちゃんのおへそも、おかあさんとつながっていたの」と、あかりちゃんだけでなくだいちゃんも大切な存在なんだということを話して聞かせました。
そのおかげでだいちゃんは自信を回復。いつものあかるいだいちゃんに戻りました。
おかあさんがだいちゃんにしたようなスキンシップは、子どもに「あなたの存在をまるごと受け入れているよ」というメッセージが伝わり、子どもの心を育むのにとても大きな役割を果たします。
こんな体験の積み重ねこそが、自分を飾ることなく、他人と比較することなく、ありのまま生きられる子どもを作っていくのです。
体を壊したことを機に、癒しの世界へ転向する。アロマテラピー、整体、気功、心理学、中医学などを学び、アロマテラピストとして、サロンの他、プロ養成専門学校講師を務める傍ら、自己啓発セミナーを主宰。
これまでの経験を経て、「あなたのままで大丈夫」というメッセージを世界中に届けたいという思いから、2007年、映画「1/4の奇跡~本当のことだから~」を発表。国内だけではなく、世界16カ国で上映され16万人を動員。
その後、「光彩~ひかりの奇跡~」を発表。3作目「天から見れば」はNY国連イベントにて上映される。
現在、本の執筆、国内、海外での講演の他、ありのままの自分の「存在」を育てることをテーマにした「へそ道」ワークショップを全国で展開している。
著書に「1/4の奇跡~もう一つの、本当のこと~」(三五館)がある。
【入江冨美子オフィシャルサイト】 http://www.iriefumiko.com/
ほかに、東日本大震災でのボランティア活動をもとに書いたエッセイ・コミック「上を向いて歩こう!」(講談社)は森川ジョージによりリメイクされるなど、話題をよぶ。福島応援キャラクター「あたまがふくしまちゃん」を制作。Twitter、Facebook、mixi更新中。
【ホームページ】 http://www.nobmi.com/
のぶみによる読み聞かせの動画も公開中