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売上が上がるほめる基準 スタッフが集まる、育つ、離れない! ほめる基準

  • 売上が上がる
    ほめる基準
  • 定価: 1500円+税
  • 著者: 原 邦雄
  • 出版社: 商業界
  • ISBN-10: 4785504757
  • ISBN-13: 978-4785504755
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解説

 最近、“ブラック企業”と呼ばれる企業からアルバイトが離職し、チェーン店の一部が一時休店に追い込まれたり、開店時間の短縮を余儀なくされたりして話題になりました。
 さらに、それらの企業が人を雇うために時給を高く設定するも、アルバイトは集まらなくなっています。これはつまり、人々が働きやすい環境を優先しているということを意味しています。

 “働きやすい職場”の一つの例は、ポジティブな雰囲気があるということ。そして、そんな雰囲気のある職場は売上も好調であったりするものです。
 『売上が上がる ほめる基準』(商業界/刊)の著者であり、コンサルタントの原邦雄さんは、コンサルタントになった当初「コンサルは現場を知らん」と言われ、「現場の気持ちが分かるコンサルになろう」と決意、ラーメン店の洗い場に転職し、その後店長を経験したという“現場”を知り尽くした男です。
 そんな原さんは本書の中で、「売上を上げるためには人をほめることが大事」と口酸っぱく言います。

■ 「ほめる」ことがもたらす3大メリットとは?

 どんな従業員もその会社で働こうと思って応募してきたはずです。だから、どんな人も高いモチベーションを維持していれば、ちゃんとパフォーマンスを出すことができるはずです。
 では、そのために経営陣や上司はどうすればいいのか。「ほめる」ことをするのです。
 原さんは部下や従業員を「ほめて」育成することに、3つのメリットがあるといいます。

【メリットその1】売上アップ
 まず1つ目のメリットは「売上アップ」です。
 お客様と接し、実際に売上を上げている人は誰でしょうか。そう、現場にいる従業員たちです。現場の従業員たちが暗い雰囲気で仕事をしていれば、お客様は寄り付かなくなります。また、気持ちのいい接客をしてくれるスタッフには、何度も会いたくなるというもの。現場の力あっての売上といえます。
 だからこそ、経営者は現場の従業員たちを信じて、ほめるべきです。経営者が「現場はがんばっていない」と言ってしまうと、彼らなりの頑張りを否定してしまうことになり、モチベーションの低下につながります。「自分は現場にはタッチできないから、もう十分がんばっている現場の行動や言動を見つけてほめてあげよう」と経営者側もがんばらなければいけないのです。

【メリットその2】辞めない
 続いてのメリットは「辞めない」です。
 原さんいわく、若者たちがアルバイトなどで求めていることは「業種」ではなく、「仲間」や「絆」「ほめる文化」なのだそうです。特に新人は敏感ですから、「この組織は自分のことを大事にしていてくれているかどうか」を察知し、もし大事にしてくれないと思えば、すぐに去ってしまいます。
 逆に、従業員を大事にする社風の会社には、人が集まります。そこから優秀な人材が育っていき、売上アップに貢献してくれるのです。

【メリットその3】採用費を削減できる
 優秀な人材を採用するために使う「採用費」は、軽くみられるものではありません。従業員が辞めるたびにまた採用広告をうって…などとやっていると、経営の圧迫につながります。
 企業側が何もしなくても良い人材が集まる会社になることが理想。それには「ほめる」ことで会社の雰囲気を良くすることが大事になります。従業員が辞めにくいということも強みですが、良い人材が集まるというのも大きな強みになるのです。

 本書は、新人や中堅スタッフに対する即効性の強い「ほめ方」を伝授する一冊です。
 スタッフの育成は長い時間が必要ですが、売上は一日一日が大事。だから、新人にもすぐにその持ち場で頑張ってもらえるように「ほめる」ことが求められるのです。
 「ほめることの大切さは分かったけれど、どうほめればいいのだろう?」という経営者や上司の方々にとって本書は大いに参考になるはず。従業員からブラック企業だと陰で言われる前に、「ほめる」ことの重要性を確認してみてはいかがでしょうか。
(新刊JP編集部)

目次

  • 第1章 売上アップはほめることから
  • ・ほめて育てる3大メリット! 「売上げアップ」「辞めない」「採用費削減」
  • ・売上を上げているメインキャストは現場スタッフ!
  • ・新人からベテランへ、ほめ方に技アリ
  • ・ほめる対象は、「人」か「行動」か?
  • ・「ほめ」をレシピ化。モデリングこそ、成長なり
  • 第2章 入店初日の新人スタッフも、即戦力になれる!
  • ・新人スタッフができる「売上につながる行動」を書きだそう
  • ・超簡単、できる作業を書きだしてもらって、任せよう
  • ・面接から始まっている「期待」の共有
  • ・新人スタッフとの共通の話題作りは、相手に興味を持つところから
  • 第3章 新人スタッフ入店2週間後、最大のほめ時!
  • ・まだ目を離さない。居場所ができているか、簡単作業ができているか、再確認
  • ・小さな成長を共有し、ほめる!
  • ・期待していることを本人に伝え、期待されていることも伝えてもらおう
  • ・お客様と接する機会をもうけ、繋がっている行動をほめよう
  • ・「何をしたらほめられるのか」をしっかりと伝える期間にしよう
  • 第4章 新人スタッフの「行動」完璧マスター編
  • ・遅刻をしない
  • ・入退店の挨拶
  • ・アイコンタクト2秒
  • ・0.2秒の返事
  • ・「心がけていることは?」の質問に答えられる
  • 第5章 一通り作業が出来るようになったスタッフには
  • ・新人スタッフと同じ扱いはしない
  • ・任せられる作業が増えたことを具体的にほめよう
  • ・成長が感じられない箇所は、厳しさを持って「期待」を伝えよう
  • ・スタッフが発見したことを共有する場を用意しよう
  • ・売上が上がる方法(レシピ)を実際に体験してもらい、作業してもらおう
  • 第6章 戦力とみなされるようになったスタッフには
  • ・店の戦力になってくれたことの感謝と期待を伝えよう
  • ・売上げアップの行動レシピを、先頭にたって実践してもらおう
  • ・実践してもらい、その行動と成長をほめよう
  • ・実践が売上に繋がった効果を、共に振り返ろう
  • ・売上アップに至った行動レシピを共に見つけよう
  • 第7章 売上を上げる中心スタッフには
  • ・行動レシピ(売上が上がる方法)づくりに参加してもらおう
  • ・行動レシピ(売上が上がる方法)を進化させる役割を与えよう
  • ・お店を一体化させるための、リーダーシップを教育しよう
  • ・他のスタッフの見本になってほしいことを伝えよう
  • ・商売のゴールデンルールを教え、近未来の売上の作り方を教育しよう

著者プロフィール

原邦雄

株式会社スパイラルアップ代表取締役。大阪工業大学卒業。大手食品メーカー、船井総合研究所を経て、現場スタッフの気持ちが分かるコンサルタントになろうと決意。ラーメン店で洗い方から店長まで体験。売上アップの実績を積んで独立。
顧問先68社、2万人以上が研修を受講する。