―クリスさんの新刊『一瞬で夢がかなう!「人生のシナリオ」を書き換える法』を拝読して、いわゆるPDCAサイクルの前段階でわかっておかないといけないことが書かれていると感じました。その意味で多くの人に役立つ本だと思いますが、こういった内容の本を書こうと思われたきっかけがありましたら教えていただければと思います。
この本の内容は、実は一番に書きたかったことなんだ。でも、何の実績もない状態で書いてもわかりにくいし多くの人に伝えられないというのがあったんだね。だから、今回の本を出版する前に多くの人に僕の伝えている内容をある程度知ってもらいたかったんだ。
デビュー作の『最高の人生を引き寄せる法-可能性の扉を開く7つの鍵』は、今回の本にもつながるけど、気持ちや考え方を変えるための具体的な方法について。2冊目は、今度は広く伝わるようなキャラクターの濃い本を書こうと思ったんだ。
言ってしまえば今までの出版活動は下地作りで、今回の本によって多くの人の人生が変わることを願っていたよ。だから、満を持して出した本だね。
―デビュー作を書く前から計画していたことを実現させてきたというのはすごいですね。
ありがとう!2作目の『億万長者専門学校』はタイトルが気に入って、これならいいなと思っていたんだけど、ベストセラーを作りたかったから、すぐには出さずに『億万長者専問学校』という本と同じ名前のセミナーを3年半くらいやって、そこで本の告知をしていたよ。
3年半の間毎月やったから50〜60回やったね。そのセミナーでウケたところは強調して、そうじゃないところは言い方を変えたり、割愛したりして内容を練っていったんだ。
『億万長者専門学校』と同じように、この本に書いてあることもセミナーを重ねて5年以上試行錯誤してきたことだよ。本当に一瞬で人生が変わることを検証してきたもの。実際に人生が変わらなかったら返金保証してもいいくらいで、今までの本の中で一番効果が高いものになっているんだ。
―本書の中に“仕事や肩書は「感情」を得るための手段”とあります。つまり、「○○になりたい」といった目標は、たとえば“幸せになりたい”“人から尊敬されたい”という「感状」が大元になっているということですが、この「感情」とは本人がやる気になれるものであればどんなものでもいいのでしょうか。
例えば、健康のために運動したいとするよね。でも、忙しいと面倒だったり時間もないし続かないことってある。そこで、運動したら自分にこのご褒美をあげて運動するようにする。この場合は実際に自分の健康のためだから、運動する目的は人生に合っているんだよね。
でも、好きじゃない仕事であったり、自分がやりたくないことを無理やり「やる気」を出してやろうとしても限界があるんだ。そういうことに対して短期的にやる気を出す方法はたくさんあるけど、心の芯ではやりたくないことでは、かえってストレスになってしまうかもしれない。
だから、「感情」は自分の人生で何を幸せだと思うのかということと合わせて考えていくのが大事なんじゃないかな。
―何かやりたいことがあったとしたら、それによってどんな感情を得たいかということを考えてみなければならないということですね。
その通りだね。今日はオシャレな格好で出かけようと思ったのだとしたら、それはオシャレをすること自体が目的なんじゃないんだ。オシャレをすることによって、人から褒められたいとか、自分は人とはちょっと違うんだと思いたいとか、人から好感を持たれたいとか、そういう感情を得たいんだよね。
仕事でも楽器を弾くことでも、それらはどこかで感情と結びついているんだ。すべては感情と結びついている。行動はそれを達成する手段なんだよね。よく、“思考は現実化する”っていうけど、本当は“感情は現実化する”なんだ。
―非常に納得するところです。このことにクリスさんはどのように気づかれたんですか?
このことは、アンソニー・ロビンズがセミナーで一番最初に言うことなんだよね。私たちが行動しているすべてには意味があって、それは私たちは自分の何らかの感情を満たそうとしているということなんだよと。それをアンソニーはいろんな言い方で伝えてくれるんだ。
―また、本書の中に「成功の9割は目標設定で決まる」とありますが、目標の立て方というのはあまり人から教えられることがないので、わからない人も多いはずです。効果的な目標の立て方がありましたら教えていただけますか?
戦術と戦略っていう言葉があるよね。戦略は計画全体に関わる根本的なもので、戦術はそれぞれの現場で異なるもの。それでいうと目標は戦術の方だから、戦略さえしっかりしていれば、目標はコロコロ変わってもいいんだよ。
それに対して、戦略は計画全体の目的だね。目指す的が目的で、そこに至るための道標が目標なんだ。
例えば大学入試だと、どこに合格したいかというのが目標で、合格することでどうなりたいか、どういう気持ちになりたいかが目的。まずはこれをわかっておくことが大事だよね。
そうでないと目標が目的に結び付かなかったりするから。
目標を立てるためには、まず最終的な目的を自分でわかっていること。それがないと途中途中の目標を達成できても最終的に幸せになれない可能性があるんだ。そして、目的っていうのは、自分がどういう気持ちになりたいかっていうことだね!
―また、人生のシナリオを変えるためには“パラダイムシフト”つまり、今まで正しいと思っていた考え方から、新しい考え方に乗り換えることが大事だとおっしゃっていましたが、このように新しい視点を持ったり、枠組みの外から考えてみることを日常的に訓練することは可能なのでしょうか。
一番いいのはそのためのコーチとかカウンセラーとか、本人にはわからない第三者の意見を聞いてみることだね。
でも、自分でできることもあるよ。例えば、僕は誰かと会話をしている時、この話は何を前提にしているのか、相手との共通の前提は何なのかということをできる限り明確にしようとしているんだ。そうすることでその前提が実は数ある選択肢の一つにすぎないことがわかったりする。だから、今の私たちの世界の前提は何なのかということを常に自問してみるといいかもしれないね。
もう一つ、僕を含めてアンソニー・ロビンス系のコーチは、人の行動について、そもそも何のためにやりたいのかということと、その行動によって実際に目的地に近付いているのか離れているのかを測るためにいろいろなものを数値化するんだ。
前提を考えることはある意味抽象的な思考で、数値化するのは具体的だよね。この二つを行ったり来たりすることが大事なんだ。それは意図的に自分の枠を変えているということだからね。
でも、パラダイムシフトを起こすというのはなかなか難しいから、やっぱりパラダイムシフトを何回も起こしているようなコーチについてもらうのがいいと思うよ。自分で気がつくのに5年10年かかることも、コーチングのプロが見たら一目でわかってしまうことがあるから。
―興味深いのは、自分の中の感情の対立が目標への推進を妨げるという点です。確かに人は矛盾した複数の感情を同時に抱えてしまうものですが、こういった感情の対立はどのように解消すればいいのでしょうか。
ほとんどの人は知らず知らずのうちに自分の中で感情が対立しているから、まずは感情の対立を知ることだよね。
例えば、いつも一緒にいる仲良しグループがあったとするよ。仲良しだから、このメンバーといつも一緒にいたい。でも仲良しグループの中で存在感がないのは嫌だから目立ちたいとする。これは対立した感情なんだよね。
つまり、「皆と一緒」という気持ちと、「自分だけは違う」という気持ちが対立していると苦しくなってしまうんだ。だから、対立した感情があると、苦しくて当たり前、葛藤して当たり前なんだ。でも解決法はあるんだ。こうしたことをセミナーで教えてるんだけど、それで救われたと言ってくる人がたくさんいるよ。
この本にはどんな感情が対立しやすいかが書いてあるからぜひ読んでみてほしいな。これを学んでおけば、後々誰かに相談を受けた時に教えてあげると、一瞬にしてその人の何年もの悩みが消えてしまうことも多いんだ。この方法を知っておくと一生使えるよ。
―誰かの悩みを解決する方法が広まっていくのは素晴らしいことですね。
そうだね。友だちの相談に乗っているうちに感謝されて、それがうれしくてコーチになろうと思った、という人は多いんだ。
プロのコーチになろうなんて思う必要はないけど、自分と周りの人に人生がワクワクする方法を教えたり、悩みを取り除いてあげるだけでも大きな価値があるよね。
―次に刊行される書籍がありましたら、その内容を少しだけ教えていただけませんか?
今考えているのは、人をインスパイアして、行動したくさせるようなコミュニケーションの方法の本。僕はこれを“たくなる力”と呼んでいるんだけど、“○○しなさい”じゃなくて“○○したくなる”ようなコミュニケーションの方法だとか環境の作り方の本を計画してるよ。
―最後に、成功を目指す全ての方々に励ましの言葉をいただければと思います。
実はこのインタビューのなかで答えようと思いつつ答えなかった部分があるんだ。それがこの本のサプライズになっているよ。読めばわかるけど、行間にいくつかの伏線が含まれていて、読んでいくうちに気づきがあるはず。どういうことかというと、いつの間にか自分の中でパラダイムシフトが起こるように作られているんだ。だから順番に最初から読んでほしいな。
この本は、あなたが人生を変える邪魔をしているものが炙り出されて見えるように設計されてる。同時に、今まで見えなくなっていた、あなたの人生でもっとも大事だと思っていたものが炙り出されてくるはずなんだ。それが見えるようになったとき、あなたの人生は劇的に変わると思うよ。
(インタビュー・記事/山田洋介)