被写体がジャンプして宙に浮かんでいる瞬間にカメラのシャッターを切り、“浮いている写真”を撮影しようとしたことがある人は多いのではないだろうか。
しかし、被写体をブレずに撮影するのはなかなか難しい。相手は常に動いているので、シャッタースピードが遅いと、どうしてもピンぼけしてしまうのだ。では、“宙に浮いている人間”をブレずに写すコツはあるのだろうか。
跳んでいる人を写す、いわゆる「ジャンプ写真」を1998年から撮影し続けてきた写真家の青山裕企さんの新作写真集『跳ばずにいられないっ!ソラリーマン ジャパン・ツアー』(徳間書店/刊)では、日本各地のジャンプする働くオトコたち=“ソラリーマン”たちのカットを収録した躍動感溢れる一冊。
空中でアクティブにポーズを取るソラリーマンもいれば、まさに直立不動で空中に透明の地面があるのではないかと思わせるソラリーマンまで様々だ。では、青山さんはどのようにしてこの写真を撮影しているのだろうか。そこにはちょっとしたコツがあるようだ。
■ アングル
高く跳んでいるように見せたければ、カメラは低い位置から撮影しよう。また、地面を写さないようにカメラの角度を上げると着地点が分からなくなるので、こちらも高く跳んでいるように見える。
■ シャッタースピード
だいたい500分の1秒より遅いと、ピンぼけしやすくなるという。そのため、シャッタースピードを速くするために明るい場所で撮影しよう。また、室内や夜といった暗い環境においては、蛍光灯や電灯を利用すると良い。
■ タイミング
一番高く跳んでいる瞬間をカメラでとらえるようにする。カメラの連写機能を使った方がいいのでは、と考える人もいるだろうが、青山さんは、やみくもに連射するのではなく、一跳一撮の精神で撮影したほうがいいと言う。
■ ポーズ
座ったポーズで宙に浮いている写真を撮るには、座っている時の姿勢を固定させたまま、上に浮くような意識で跳ばせてみよう。腰や膝の角度を直角に保つ、表情を変えないといったことを注意して跳んでみると、宙でも座ったポーズが維持できるはずだ。ただし、着地にも充分注意を払おう。
また、直立不動のポーズは、靴裏に注目しよう。地面と平行になっていると浮いているように見えやすいという。また、ジャンプすると普通はかかとがあがるため、つま先をあげると良い。
以上のようなことを注意した上で撮影すれば、ピンぼけしない“ジャンプ写真”を撮ることができる。
ちなみに、この『跳ばずにいられないっ!ソラリーマン ジャパン・ツアー』は青山さんにとって20冊目の書籍となる。『スクールガール・コンプレックス』などを通して、フェティシズムやエロティックな世界をカメラと写真で瑞々しく表現している青山さんだが、本作ではサラリーマンたちの日常の中にある躍動感を切り取っている。
中にはテレビでおなじみのTVキャスターや、元メジャーリーガー、気鋭の経営者などもジャンプしている。思わぬところに思わぬ人が、躍動的な姿を見せているかも知れない。
(新刊JP編集部)
■ 青山裕企さん個展『ソラリーマン・ジャパン・ツアー 2013 東京』開催!
2013年1月6日(日)から1月16日(水)まで、新宿眼科画廊にて。
さらに16日にはリブロ池袋本店で、気象予報士・天達武史氏を迎えてトークイベントを開催! 詳細は以下のURLにて。
http://yukiao.jp/news/2410.html
2007年キャノン写真新世紀優秀賞受賞。
『ソラリーマン 働くって何なんだ!?』(ピエ・ブックス)『スクールガール・コンプレックス』(イースト・プレス)『吉高由里子 UWAKI』(マガジンハウス)『パイスラッシュ‐現代フェティシズム分析‐』(エンターブレイン)など、話題の写真集を次々に発表。
サラリーマンや女子高生など“日本における記号的な存在”をモチーフにしながら、自分自身の思春期観や父親像などを反映させた作品を制作している。
自伝的な写真論三部作として『ガールズフォトの撮り方』(誠文堂新光社)『僕は写真の楽しさを全力で伝えたい!』(星海社新書)『<彼女>の撮り方』(ミシマ社)を刊行。
ジャンプ写真は1998年、ソラリーマンは2006年から撮り続けている。
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